TUP BULLETIN

速報958号 ドナより 良い知らせ(そして悪い知らせも)、それで、次は何?

投稿日 2012年12月24日

再びイラクに向かう私を、デービッド・ブラッドベリがドキュメンタリー映画に






オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年の春にはイラクで「人間の盾」に参加した。04年春にはイラクで米軍包囲下のファッルージャに入り、その帰路地元レジスタンスによる拘束を経験し、つぶさにその報告をしてくれた。04年冬から05年春にかけてはイラク・パレスチナ「巡礼の旅」を伝えてきた。05年8月には、シンディ・シーハンのキャンプ・ケーシーに駆けつけ、アメリカからの報告は、ほとんど実況中継だった。05年12月にはオーストラリアがイラク戦争に最も貢献してきたパイン・ギャップ秘密基地に侵入し、「市民査察」を強行して逮捕されたが、08年2月に無罪判決を勝ち取った。09年末から10年初頭には、イスラエルによる包囲封鎖に苦しむパレスチナ・ガザ地区に入って援助を届け、現地から報告してきた。10年2月に、『普通の勇気―わが旅、人間の盾としてバグダードへ』を出版した。11年3月に、アフガニスタンのカーブルに向かい、地元の「青年平和ボランティア」と共に行動した。12年7月に4度目のイラク訪問を敢行し、劣化ウラン弾などの有毒兵器の被害に苦しむファッルージャの女性や子供の現地調査を終え、無事帰国した。

劣化ウラン兵器使用に関する情報公開を求める国連総会決議が賛成多数で決議されました。この議決でオーストラリアの投票を棄権から賛成に変えようと精力的にキャンペーンを行なってきたドナからの(おそらく今年最後の)報告です。

(翻訳:福永克紀/TUP)

良い知らせ(そして悪い知らせも)、それで、次は何?

ドナ・マルハーン
2012年12月18日

お友達の皆さんへ

年の瀬も押し詰まるにつれて、国連での劣化ウラン兵器に関するオーストラリアの投票を変えさせるために行なってきたキャンペーンについて、ただ皆さんと連絡を取り、いくつか最終的なお知らせと感想を分かち合いたいと思っていました。

国連での投票結果は、以下にあります。
――国連総会、劣化ウラン兵器に対して、予防措置適用を支持する――
http://www.bandepleteduranium.org/en/unga-2012-vote

良い知らせは、155カ国が賛成し、反対は4カ国だけで、棄権が27カ国、2年前に行なわれた投票よりも勝った数字だったことです。

悪い知らせは、オーストラリアが再度棄権したことです。残念ながらこれは、投票前の数週間に首都キャンベラから漏れてくる雑音では米国からの圧力が強力だったということで、予想外の結果ではありませんでした。

オーストラリア人にとって、なんと失望させる結果でしょう! どうか御遠慮なくボブ・カー外務大臣にご自身の失望をお伝えください。私がそれを分析したものが以下にあります。ユリーカ・ストリートで公表されたもので、「オーストラリア、毒物使用戦争に関して国連で軟弱路線を露呈」です。
http://www.eurekastreet.com.au/article.aspx?aeid=34353

女性向けの人気ウェブサイトであるママミアが、私の「ピンクの服を身にまとった女性」の話を「わが子が死んでいくのを見つめる母親の顔ほど悲しい顔を見ることはない」と題して取り上げてくれて、うれしかったです。これでこの話が膨大な数の読者層に届くことになり、通常は見ることもない読者層にも……。
http://www.mamamia.com.au/health-wellbeing/birth-defects-iraqi-cities/#comment-1345111
[訳者注:「ピンクの服を身にまとった女性」は前回のドナからの報告、「速報955号 ドナより ピンクの服を身にまとった女性」の話のこと。この速報は以下のアドレスにあります]
https://www.tup-bulletin.org/modules/contents/index.php?content_id=988

それで、次は何でしょう? 私にとってはまもなく(2月に)イラクに再び向かうつもりだということです、そしてその話をドキュメンタリー映画にするために映画製作者のデービッド・ブラッドベリが私に同行する計画を立てていると、ここで公表できて興奮しています。皆さんの多くはデービッドの作品をご存じでしょう――彼はオーストラリアで最も有名で最も成功したドキュメンタリー映画製作者の一人です。彼の映画は公共放送・民間放送を問わずオーストラリアの主要放送局すべてで放映されてきたばかりか、海外でも放映されてきました。数々の国際映画祭で賞を取り、5度オーストラリア映画協会賞に輝き、2度アカデミー賞にノミネートされています。

デービッドは、大義を求めて、政治的抑圧や環境破壊を暴露するために、どんな苦労も厭わない映画製作者として国際的評価を得ています。彼についてもっと詳しくは以下に。
http://www.frontlinefilms.com.au/profile.htm

デービッドにとっての難関は、多くの映画監督と同じく、わずかな資金でやりくりしていること、それと資金の目途が立つ前にこの映画の制作を決めたことです。彼のイラク行きは、今後6週間に彼の旅費をどれだけかき集められるかにかかっています。

この物語を広く国際的な視聴者に届ける手助けをしていただけないでしょうか。クリスマス用に本やCDを購入する、または寄付をするのはどうでしょう。詳細は下記にあります。

本年中の皆さんの支援に感謝します、皆さんの多くと会い、皆さんの地域に出向き、皆さんのグループと話ができて、素晴らしいことでした。キャンペーンを行ない、旅を共有してくださった皆さん、ありがとうございます。

イラク戦争開始から10周年を迎えるにあたり、戦争の犠牲者の声に耳が傾けられるようにする共同作業が待っています。

話は変わりますが、子供たちに対する暴力から逃れてきた難民の赤ん坊の思いを胸に、皆さんに静寂でシンプルな意義深いクリスマスの時期が訪れますように。

皆さんの巡礼者
ドナより

追伸:今日ユリーカ・ストリート上で公表された、[12月14日に発生した]米国の小学校での銃撃事件に関する私の感想が下記アドレスにあります。記事では、[事件が発生したコネティカット州]ニュータウンの両親たちの嘆きと、それに続いて[オバマ大統領が表明した]「私たちの子供」を守る情熱が、より大きな議論を招き、[米国内だけではなく]世界中で暴力に見舞われた子供たちへの新しい情熱へと連なるように願う私の希望を表明しています。
http://eurekastreet.com.au/article.aspx?aeid=34660
[訳者注:上記訳文中の[ ]内は、訳文説明のため訳者が挿入したものです]

追追伸:このドキュメンタリーの資金調達の手助けに、私の本『普通の勇気』を25ドルで購入するか、心を湧き立たせる反戦ミュージックを集めた『立ち上がれ』CDを購入したい方がおられましたら、このメールに返信していただければ私たちが手配します。クリスマスに間に合うように、ホー、ホー、ホー!
[訳者注:ホー、ホー、ホー! は、サンタクロースの笑い声として代表的なものです]

追追追伸:このファッルージャ問題をドキュメンタリーで世に問う仕事に寄付をして、デービッドの旅費に援助できる方がおられましたら、大変ありがたいことです。口座の詳細は、口座名:ドナ・マルハーン、ボランティア費用(Donna Mulhearn, volunteer expenses)、銀行コード(BSB):062181、口座番号(a/c):10305704 です。ありがとう!

追追追追伸:「クリスマスが求めているのは、私たちが、神の眠る飼い葉桶に至る長い道のりを星に導かれて旅をすると同時に、その旅は短く、隣人、世界、そして自分自身に思いを向ける単純な行程であると受けとめることなのです」

原文:Good news (and bad news) and what’s next….
URL:  http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/264