TUP BULLETIN

速報561号 ドナより テロに抗して 051109

投稿日 2005年11月9日

DATE: 2005年11月9日(水) 午前10時43分

自国のテロを見据える。米軍秘密基地、パイン・ギャップに向かうマルハーン


オーストラリア中央部、北部準州アリス・スプリングスから16キロほどの所に ある米国の軍事基地パイン・ギャップをご存知でしょうか。パイン・ギャップ は、第二次大戦後からエシュロン(米・英・豪・カナダ・ニュージーランドに よる、電話・ファックス・Eメール・衛星通信などあらゆる通信情報を傍受し 解読しているスパイ組織網)の中心的役割を果たし、最近では軍事衛星情報の 傍受・中継の中核的役割を担いアフガン・イラク戦争に欠かせなかった秘密軍 事基地で、職員の大半をCIA、NSAおよび米軍の諜報部員で占める、米国が実効 支配する基地です。さらにこれから宇宙を支配しようとするミサイル防衛構想 の中枢になろうとしています。強国による国際テロの中核施設のひとつである このパイン・ギャップに向かおうとするドナ・マルハーンからの報告です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


テロに抗して ドナ・マルハーン 2005年11月1日

お友達の皆さんへ

男が一人、タバコの煙うずまくパキスタンのカフェで、奥の部屋に腰をすえ、 ロンドンで何百人もの無辜の人々を殺す自爆攻撃の計画を練っている。これは テロだと、私たちは力を込めて糾弾します。

男が一人、オーストラリアの砂漠にある米軍基地パイン・ギャップで、エアコ ンの効いたコンピュータールームに腰をすえ、イラクで何百人もの無辜の人々 を殺そうとジェット爆撃の計画を練っている。これもテロだが、私たちは何も 言いません。

ともかく、大半の者たちは沈黙しています。しかし幸いなことに、このひどい 矛盾に人々の注意を向けさせようと長年走り回ってきた人たちもいます。私の 友人ジムもその一人で、テロリズムに関する議論にいくらかの常識を持ち込も うと活動してきました。彼は、およそすべての問題を公の場に提起しようとし てきて、たとえば地元の自由党議員が非合法なイラク侵略を支持しているのは テロであるとして、昨年の「候補者と会おう」フォーラムで彼を民間逮捕しよ うとしました。

ジム・ダウリングはカトリック・ワーカーの伝統を引き継ぐ活動家です――ラ ジカルで、つつましくて、創造的で、一貫性があり、優しくて、非暴力的で す。戦争およびそれへのオーストラリア軍の関与による人間の被害に注目を集 めさせたさまざまな活動で、幾度となく逮捕されたことがあります。長年の獄 中経験もあり、最近では特にこれという理由もなく警官から袋だたきにされた こともありました。私は、ジムによる民間逮捕の件で、その最後の審尋で彼を 支持して証言しようとしましたが判事がどうしても許可しようとしませんでし た。 [訳者注:カトリック・ワーカー Catholic Worker 1930年代から米国で始 まった平和主義・非暴力抵抗のキリスト教徒の運動。トライデント・プラウ シェアの中核者たちに多い]

ジムの基本的な考えは、あらゆる形のテロに反対するということです。それ で、人類愛も身近なところから始まるように、テロの追及も自分の身近なコ ミュニティから、と彼は言うのです。

それが、私や他の少数のものがジムに加わり、12月にパイン・ギャップに旅す る理由です――この施設でのテロ活動とおぼしきものを査察させろと要求する のです。

ジムの言葉によれば、この旅は、テロの問題でなんらかの知的・道徳的誠実さ を達成しようとする運動の山場なのです。

このことを、考えてみましょう……

米国での9・11の攻撃事件、バリでの爆弾事件2件、英国での地下鉄攻撃事件で の死者は、全部あわせても3000人ぐらいです。一方、アフガニスタンとイラク に対する報復テロ攻撃による死者は、10万人に及ぶ罪なき一般市民と推計され ています。この数字には、12年に及んだ経済制裁と爆撃による、おそらく百万 人を超えるとされる死者は含まれていません。(1998年のユニセフ報告参照)

パイン・ギャップの施設は、近年の歴史では最大の国際テロ攻撃と言うほかな い事件において、重要な役目を担ってきました。キャンベラのオーストラリア 国立大学の戦略問題アナリスト、マイケル・マッキンリーの言によれば、 「……確かにしかるべき標的を識別することに関しては、パイン・ギャップは 重要である。(イラク戦争への)パイン・ギャップの貢献は、どんなオースト ラリア兵の派兵よりもはるかに有意義である」

2002年、ジムは大勢の人たちと一緒にパイン・ギャップの入口を封鎖する行動 に参加しました。裁判になって、彼は、皆で基地のテロ活動を阻止しようとし ただけだと主張しました。その後皆で、当時の基地の責任者でありブリズベン の外務省と防衛本部の責任者でもあったジョン・マッカーシーをテロの罪で告 発しました。ジムは何回も「テロ情報ホットライン」に電話し、パイン・ ギャップのテロ活動について警告し、他の人たちにもそうすることを勧めまし た。2003年の爆撃作戦による手足を無くした子供たちの写真が初めて世に出始 めると、そのコピーを「ホットライン」に送り、なぜ彼の最初の警告に基づく 行動がとられなかったのか説明せよと怒りをこめて要求しました。

そういうわけで、私たちは、パイン・ギャップが関与するテロ活動を暴露する ため、私たち自身による基地の査察を求め、パイン・ギャップに向かうつもり です。

もし皆さんがこのキャンペーンを支持したいと思うなら、以下のように、テロ と戦う私たちの非暴力行動を援助できます。

*下記に引用してあるものが、「テロに反対するキリスト教徒たち」 (Christians Against Terrorism)に連帯を示し、パイン・ギャップ施設のテ ロ活動の査察を要求する私たちの声明です。これに署名するのにクリスチャン である必要はまったくありませんし、クリスチャンでない支持者もたくさんい ます。どうか署名をお願いします、そしてもしできるなら他の人にも署名する よう勧めてください。署名は、"Christians Against Terrorism", P.O. Box 5187, West End, Qld 4101 宛てに11月20日までに送り返してください。この 基地の活動に関心を持っているのは、単に私たち小さなグループだけではない ことを示したいのです。

*もし、途中の道に知り合いがいれば、私たちが来ることを教えてあげてくだ さい(私たちの大部分はブリズベンからロックハンプトン、タウンズヴィル、 マウント・アイザ、スリー・ウェイズ経由で行きます)。もし連絡を取りたけ れば、ジムの電話番号は*****[訳者注:電話番号省略]です。使用済み の食料油を燃料にしたバイオ・ディーゼルのバンで旅します。レストランかカ フェから「燃料」を調達できる人をご存知でしたら、すばらしいことでしょ う。

*どなたかビデオカメラを貸してくださる人はいませんか?

*一緒に旅することを考えてください。

*もし行くことができなくても、この旅を支持したいなら、費用援助の寄付を 考えてください。

*テロ情報ホットライン(1800 123 400)に電話して、パイン・ギャップがテ ロ爆撃作戦に関与していると伝えることを考えてください。Eメール hotline@n… でもそうすることができます。

ジョージ・オーウェルが言うように、虚偽で固められた時代に、真実を述べる ことは革命的行為なのです。

皆さんの巡礼者

ドナより

追伸:連帯の声明は下部にあります。近いうちにパイン・ギャップの情報を もっと送るつもりです。

追追伸:私は11月末にメルボルンで講演します、そしてそこからアリス・スプ リングスに車で行く予定です。どなたか私を後援し燃料代を支援してくださる かたがおられましたら、大変ありがたいと思います! 方法については直接ご 連絡ください。

追追追伸:ところで、今週末の「全国週末抗議行動」(National Weekend of Protest)で、皆さんも、政府による市民権への攻撃に反対し、また部隊を帰 還させるべく声を大にする機会があります(www.stopwarcoalition.org参 照)。 [訳者注:「市民権への攻撃」 日本の共謀罪と同様、ハワード政権も容疑者 と思しき人間の逮捕時に必要であれば撃ち殺してもかまわないとする対テロ法 の強化をもくろんでいる]

デモの詳細は、シドニーが11月5日(土)正午、ベルモア・パーク(セントラ ル駅の近く)で、メルボルンが6日(日)午後1時、スワンストン・ストリー ト、州立図書館です。(私はこのためにメルボルンに行くのです!) 皆さん も参加し声をあげることを強くお勧めします。

追追追追伸:エッピング地区のかたへ、11月6日(日)午後7時、エッピングの チェスター・ストリートのオーストラリア合同教会で「現実を動かす:霊性と 行動」という題目で講演します。

追伸x5:11月19日、20日にメルボルン・ソーシャル・フォーラムでパレスチナ 問題と市民権攻撃問題について講演します(www.melbournesocialforum.org 参照)。 また、戦争をとめよう連合・メルボルン(Stop the War Coalition Melbourne) が11月末に「平和運動がいかにアメリカを変えつつあるか」と 題した講演ツアーを企画しています。

講演者:イラクでの前「人間の盾」であり、テキサス州にあるジョージ・ブッ シュの牧場外でのシンディ・シーハンの抗議行動から最近戻ってきたドナ・マ ルハーン、および、「平和を求める退役軍人の会」(Veterans for Peace)の 米国平和活動家ジェイムズ・ヒル。

*11月26日(土)午後2時 モーウェル バックリー・ストリート ギップス ランド移民情報センター 主催:ラトローブ・バレー・ピース・ネットワーク

*11月27日(日)午後3時 マウント・アレキサンダー・ロード フレミント ン・コミュニティ・センター 主催:ムーニー・バレー・ピース・ネットワー ク

*11月28日(月)午後1時 メルボルン大学  オールド・アート・ビル C階 段教室 主催:スチューデント・アンド・スタッフ・フォー・ピース

*11月28日(月)午後7時 カールトン ラスダウン・ストリート667 カール トン図書館 主催:カールトン・フィッツロイ・ピース・グループ

*11月29日(火)午後7時 ブランズウィック シドニー・ロード600 カフェ ・ミンゴ 主催:モーアランド・ピース・グループ

詳細はデビッドに電話するかEメールしてください。[訳者注:電話番号とア ドレス省略]

追伸x6:「虚偽で固められた時代に、真実を述べることは革命的行為である」 ――ジョージ・オーウェル

連帯の声明

関係者各位へ

我々ここに署名したものは、いかなる形のテロであれ、これに反対すること を表明するものである。我々は、自爆攻撃であれジェット爆撃攻撃であれ、無 辜の市民を殺害することを無条件に糾弾する。  アリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ施設は、イラクおよびアフガ ニスタンの無辜の市民を何千人も殺害し身体に障害を負わせたテロ爆撃作戦に 加担している疑いがあると我々は認識している。同基地は、同じテロ・ネット ワークによる先制核攻撃の準備にも加担している。  さらに、我々は、市民査察グループであるクリスチャン・アゲンスト・テロ リズムの基地テロ活動査察権の支持をここに宣言するとともに、その目的達成 のため、彼らが無条件に基地を調査できるように当局が取り計らうことを要求 する。

名前   住所 署名

原文:Opposing Terrorism URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/173

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