TUP BULLETIN

速報565号 ドナより パイン・ギャップ報告(2) ここを平和公園に! 051125

投稿日 2005年11月24日

DATE: 2005年11月25日(金) 午前0時00分

米軍秘密基地、パイン・ギャップに向かうドナ・マルハーン 報告第2弾


オーストラリア中央部、北部準州アリス・スプリングスから20キロほどの所に ある米国の軍事基地パイン・ギャップをご存知でしょうか。パイン・ギャップ は、第二次大戦後からエシュロン(米・英・豪・カナダ・ニュージーランドに よる、電話・ファックス・Eメール・衛星通信などあらゆる通信情報を傍受し 解読しているスパイ組織網)の中心的役割を果たし、最近では軍事衛星情報の 傍受・中継の中核的役割を担いアフガン・イラク戦争に欠かせなかった秘密軍 事基地で、職員の大半をCIA、NSAおよび米軍の諜報部員で占める、米国が実効 支配する基地です。さらにこれから宇宙を支配しようとするミサイル防衛構想 の中枢になろうとしています。強国による国際テロの中核施設のひとつである このパイン・ギャップに向かおうとするドナ・マルハーンからの報告その2で す。 (翻訳:福永克紀/TUP)


私の誕生日とパイン・ギャップの関係 ドナ・マルハーン 2005年11月15日

お友達の皆さんへ

私の誕生日(11月16日 水曜日)です! でも、皆さんがメッセージやカード を私に送ってくださるのを望むわけではありません。私に誕生日を幸せに過ご させてあげたいと思われるなら、他の誰かにメッセージを送ってください!

ロバート・ヒル国防相を筆頭に、続いて地元議会の議員に、それから地元の新 聞などへと。

私の誕生日に、もし皆さんがどんな形であれ、戦争とテロの恐怖や暴力に関心 をお持ちなら、パイン・ギャップにも少しは関心をお持ちでしょう。

オーストラリア人ではない読者のために説明すると、パイン・ギャップはオー ストラリアの砂漠にある米軍事基地で、あらゆる種類の秘密活動が行われてい る所です。あまりに秘密すぎて、そこで本当に何が行われているのか、私たち が選出した議員でさえ知ることを許されない所です。それが、他人の土地にあ ることを考えると、結構なことだとは思えません。

私は、その昔、良心的高校生だった1980年代にオーストラリアのロックバン ド、ミッドナイト・オイルのおかげで、パイン・ギャップのことを知るように なりました。

「米国軍が命令を承認した……」と、私はリーダーのピーター・ギャレットに あわせて大声で歌ったものです。そして、自分の土地に米軍施設があるのを快 く思えない何千人もの他のオーストラリア人とともに、彼も加わったパイン・ ギャップ閉鎖全国キャンペーンに参加したものでした。

それ以来、このキャンペーンは今日まで続き、ピーター・ギャレットは今は 違う内容の歌を歌っていますが、抱いた関心を失ってしまったわけではありま せん。

つまり、パイン・ギャップ閉鎖をめざすこのキャンペーンは現在まで続いてき ましたが、今月は特別です、そして今日この日は格別なのです。だって、11月 16日からオーストラリア政府はパイン・ギャップのリースを3年猶予つき通告 で終了させる機会を得たんですよ――なんとすばらしい誕生日プレゼントで しょう!

オーストラリアがイラク戦争に関わる上でパイン・ギャップが重要な役割を果 たしてきたことを考えれば、さらにそれによってオーストラリアがより安全に なるどころかより危険にさらされていることを考えれば、そしてまたパイン・ ギャップから爆撃の狙いを指示することでアフガンやイラクの一般市民を死に 至らしめていることを考えれば、そう、とにかく全部を考えてみると、私たち は土地の所有者として、彼らに出て行ってもらう時だと思うのです!

パイン・ギャップは、60年代にアメリカの反共産主義的恐怖心と冷戦の興奮状 態のさなかオーストラリアにやってきました。しかし、当時私たちは冷戦の当 事者になる必要はなかったし、現在でもアメリカのどんな戦争の当事者になる 必要もありません。パイン・ギャップは後ろ暗い過去と、きわめて疑わしい現 在と、スター・ウォーズや次世代スター・ウォーズその他と、ありとあらゆる 点で恐ろしい未来をもつ場所なのです!

私は来月、意識ある市民たちのグループとともにこの施設のテロ活動の査察を 求めるために、パイン・ギャップに向かいます。

と同時に、彼らにこう言ってやりましょう――この土地を地元アボリジニのコ ミュニティに返還しなさい、そしてできればここを平和公園に変えなさい!

皆さんの巡礼者

ドナより

追伸:手紙を書くかたのための詳しいパイン・ギャップ情報は下記にありま す、もっと詳しくは http://www.anti-bases.org で。ロバート・ヒルの連 絡先は、電話:02-6277 7800、Eメール:ministerfordefence@d… (住所を明記すれば、返答を確約している)、郵便:郵便番号2600 首都特別 地域 キャンベラ、国会議事堂(Parliament House, Canberra, ACT, 2600) です。

追追伸:ええ、誕生日のお祝いを私に送ってくださる必要はないと言いまし た。しかし、もし私たちのパイン・ギャップ行動に(もしくは一般的に私に対 して)何らかの援助を送りたいと思われるなら、それは大変ありがたいことで す! 郵便では、郵便番号2569 ニュー・サウス・ウェールズ ダグラス公園  ダグラス公園通り415 聖母マリア・タワーズ(St Mary’s Towers, 415 Douglas Park Drive, Douglas Park, NSW 2569)で、コモンウェルス銀行への 振込みでは、口座名:ドナ・マルハーン-ボランティア費用、口座番号2181 1030 5704(Donna Mulhearn – Volunteer Expenses, a/c number: 2181 1030 5704)です。

追追追伸:私は数週間メルボルンに滞在して、最初は今週末のメルボルン・ ソーシャル・フォーラム(http://www.melbournesocialforum.org をチェッ クしてみて。すばらしいワークショップがいっぱい)で、また月末近くには米 国平和運動の進展に焦点をあてた講演をします。詳細は以下の通り。

*11月26日(土)午後2時 モーウェル バクリー・ストリート ギプスラン ド移民情報センター 主催:ラトローブ・バレー・ピース・ネットワーク

*11月27日(日)午後3時 マウント・アレキサンダー・ロード フレミント ン・コミュニティ・センター 主催:ムーニー・バレー・ピース・ネットワー ク

*11月28日(月)午後1時 メルボルン大学  オールド・アート・ビル C階 段教室 主催:スチューデント・アンド・スタッフ・フォー・ピース

*11月28日(月)午後7時 カールトン ラスダウン・ストリート667 カール トン図書館 主催:カールトン・フィッツロイ・ピース・グループ

*11月29日(火)午後7時 ブランズウィック シドニー・ロード600 カフェ ・ミンゴ 主催:モーアランド・ピース・グループ

詳細はデビッドに電話するかEメールしてください。[訳者注:電話番号とア ドレス省略]

追追追追伸:「米国軍が命令を承認した/お前の国にとっての敗北だ/爆弾や 塹壕がどこまでも並ぶ……」――「USフォーシズ」より ミッドナイト・オイ ル

パイン・ギャップ情報:

パイン・ギャップは、アリス・スプリングスの南東20キロに位置し、米国の世 界中で最も重要かつ巨大な戦闘遂行・諜報収集基地のひとつである。これは、 人工衛星地上管制基地であり、数十年来スター・ウォーズの重要な支えとなっ てきた。米豪あわせて約1000人の人員を擁している。

1968年に設立され、現在20基ほどのレドーム[訳者注:radome 大型レーダー ・アンテナを収容しているドーム]をもち、偵察や通信傍受などのさまざまな 衛星プログラムの受信基地として機能している。

国家偵察局、国家安全保障局、CIAおよび米軍のあらゆる部局がここに駐屯し ている。

その最重要任務は、人工衛星により収集された情報を処理し、その情報を米国 に送信することである。人工衛星の情報収集範囲は、中国、ロシア南部、中東 油田地帯に及ぶ地球の戦略的に重要な3分の1に該当する。

パイン・ギャップは、ミサイル発射の早期警戒情報を人工衛星から受信し米国 に送信する。その他にも、ミサイルの発射サイト、タイプ、速度、搭載弾頭の 種類や、米国の経済や軍事活動に有益な情報も供給する。

パイン・ギャップを通じて情報を送信する米国人工衛星は、ミサイル発射の 他、軍事的・経済的・政治的および民間の電話や、マイクロ波およびVHF無線 通信を、同盟国・敵性国を問わず傍受する。

地勢・建築物・部隊の移動・爆撃の結果などの偵察写真情報も提供する。人工 衛星はまたレーダー放射の傍受が可能で、防空体勢や、弾道弾迎撃ミサイル・ レーダーや、早期警戒レーダーを検知し図面化できる。

オーストラリア議会の合同条約常任委員会が、パイン・ギャップについて議員 たちには何も知らされていないと抗議している。米国の議員たちはパイン・ ギャップを訪問し基地機能に関する機密情報の説明を受けているのに、条約委 員会は「公共の図書館で見つかる情報にも及ばないものしか与えられていな い」

パイン・ギャップは米国「ミサイル防衛」(スター・ウォーズ)システムの最 前線基地に改造されてきた。ミサイル早期発見の任務を引き継ぎ、ほとんど時 代遅れとなってしまったDSP(防衛支援計画)衛星からミサイル防衛の要であ るSBIRS(宇宙赤外線システム)への変更に、不可欠な存在となっている。

ミサイル防衛は害のない防衛的核の傘ではない。それは、米国が報復の心配も なく他国を攻撃できることを目的とする、問題のある宇宙戦闘システムであ る。NMD(本土ミサイル防衛)は主に攻撃を念頭においたもの――下界の支配 権を確立するため宇宙を利用するものである。

米国宇宙軍は、「米国の利益と投資を守るために軍事作戦の宇宙的次元を支配 する……」ことを語っている。米本土ミサイル防衛は、企業グローバリゼイ ションの軍事部門なのである。 http://www.anti-bases.org より

原文:My birthday and The Pine Gap connection URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/174

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