TUP BULLETIN

速報618号 ドナより パイン・ギャップ裁判10月3日に  060719

投稿日 2006年7月18日

DATE: 2006年7月19日(水) 午前8時54分

国家テロ中枢基地の実態をすべての市民に見せる私たちの闘いに支援を


 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の 盾」に参加し、04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レ ジスタンスによる拘束を経験、04年冬から05年春にかけてイラク・パレスチナ を旅して、05年8月アメリカからシンディ・シーハンのキャンプケーシーにつ いて報告してくれました。オーストラリアに帰国したドナは自国のテロを見据 え、05年12月に米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献して きたパイン・ギャップ軍事基地に向かい民間査察を強行して逮捕され、保釈中 の身でありながらオーストラリア中を講演などで駆けずり回ってきました。  最高7年の刑期を課せられる容疑での裁判の日付も10月3日からと決まり、い ま裁判準備に奮闘しています。ドナからの、最新の報告です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


パイン・ギャップ裁判10月3日に決定+新ホームページ ドナ・マルハーン 2006年7月13日

お友達の皆さんへ

昨年の12月、オーストラリアでのテロ活動を「警戒し、軽快に」行動するオー ストラリア人6人が、オーストラリアで最も活発かつ凶暴なテロ活動の温床で あるアリス・スプリングス近郊の米国スパイ基地パイン・ギャップを市民査察 しました。

基地に侵入した、ジム・ダウリング、アデル・ゴールディー、ブライアン・ ローと私の4人(パイン・ギャップの4人)は、現在アリス・スプリングスの北 部準州最高裁の裁判を迎えることになっています。

その裁判の日程が決まりました――2006年10月3日です。

私たち4人は統一公判で共に審理されますが、ほぼ間違いなく法廷代理人もな しで、全員無罪の主張をするつもりです。現在、被告側答弁の準備中ですが、 皆さんの助けがあって初めてできるものです。もし、あなたが私たちの被告支 援チームに参加できるか、私たちに無償で法的助言ができるかまたは代理人に なっていただける弁護士をご存知でしたら、どうかお知らせください。私たち は、緊急避難の抗弁(defence of necessity)を主張するつもりです。

フィリップ・ラドック法務長官が、1952年の防衛(特別事業)法の適用を承認 したために(史上、初めてです!)、私たちは最高7年の投獄の可能性に直面 しています。

下記に、ことの詳細が書かれているメディア・リリースを付けておきますの で、どうか友人やネットワークに配布するなり、地元メディアに伝えるなどし てください。

私たちの目標は、来たりくる裁判までの数箇月間に、イラク戦争でパイン・ ギャップがおこなった秘密活動とその役割、つまり無辜の市民を殺害するミサ イル標的確定情報を提供していることを問題提起することです。皆さんの援助 を得て、アメリカ戦争機構にパイン・ギャップが果たす役割に注目を集める市 民集会やフォーラムを開催したいと思っています。もし皆さんのグループで市 民集会や資金集めのイベントをやろうという方々がおられましたら、どうか私 たちに連絡してください。

新しいウェブ・サイト http://www.pinegap6.org も立ち上げ、定期的に更新 しています。

皆さんも、アリス・スプリングスの裁判に参加してみませんか? 裁判の期 間、デモや毎日の裁判所前ヴィジルや非暴力行動トレーニングやフォーラムな どをおこなう国民的平和大集会を計画しています。裁判期間中には、連帯イベ ントも全国でおこなわれる予定です。

私たちが裁判準備に取り掛かっている一方、皆さんには以下のような方法で支 持と連帯を表明していただきたいと思います。

――私たちに無償で助言をしてくれる気のある、人権問題に経験豊富な法律家 ないし勅撰弁護士をご紹介ください。

――フィリップ・ラドックがオーストラリアの法律制度に政治的介入したこと に失望したと、彼に手紙を書いてください。

――私たちの訴訟費用をまかなうために、カンパを送ってくださるか、資金集 めキャンペーンを組織してください。募金や資金集め夜会をやろうとなさるか たや、資金集めのアイデアをお持ちのかたは、どうかご連絡ください。もし私 たちの訴訟費用に寄付できるかたがおられましたら、振込みでは、Sean O’ Reilly(口座名ショーン・オライリー)、Commonwealth Bank(コモンウェル ス銀行)、Kippa-Ring(キッパ・リング支店)、BSB(銀行コード)064-166、 A/c number(口座番号)102 66104 に、郵便では、69 Kurumba St, Kippa-Ring, QLD, 4021 にお願いします。

――パイン・ギャップと私たちの活動の話を広めてください(たとえば、メ ディアの編集者に手紙を書くとか)。

――私たちのウェブ・サイト http://www.pinegap6.org をリンクしてくださ い。

私たちの目標は、パイン・ギャップの活動を暴いて、裁きを受けさせ責任をと らせることです。

最終的には、オーストラリア一般市民からの圧力で、アメリカがこの戦争イン フラをどこか他の所へ移動せざるを得なくなり、パイン・ギャップの存在に決 して同意したこともない伝統的土地所有者のもとにこの土地が返されることを 望んでいます。

私たちの構想は、パイン・ギャップを変質させることです。皆さん一緒にやり ましょう!

皆さんの巡礼者 ドナより

追伸:メディア・リリースは、一番下にあります。

追追伸:最近数箇月、音沙汰もなく静かにしていたことは分かっていますが、 書き物を仕上げようとがんばっていたのです! また、ハルミートの解放後、 彼に会いにニュージーランドに行ってきました。多くの人が彼の様子を聞いて きています――彼は、元気です!

追追追伸:今後の講演の予定 7月23日(日):聖公会聖ヨハネ・キャンベラ教会 午前7時、8時、9時半、11 時15分の日曜朝のミサ、午後6時のベースメント・ミニストリーズ(青年) (Basement Ministries (youth)) 7月26日〜30日:ケアンズ平和週間、28日(金):午後7時 市民フォーラム エッジ・ヒルのコリンズ通 タンクス・アート・センター 8月3日:午後6時〜9時 ニューキャッスル大学・ユナイティング・スチューデ ンツ 8月4日:午後7時半 聖マタイ・ボーカム・ヒルズ合同教会 青年夜会 8月26日〜27日:トゥウンバ 青年正義キャンプ、29日:トゥウンバ・夜食討 論会 9月17日:セントラル・コースト教会カフェ 9月30日〜10月2日:ブラック・スタンプ・クリスマス・フェスティバル

追追追追伸:「国家が腐敗すればするほど、法律は膨大な数に登る」――タキ トゥス

[訳者注:以下、メディア・リリース文] パイン・ギャップ活動家、10月3日に裁判を迎える

昨年アリス・スプリングス近郊の米国スパイ基地パイン・ギャップに侵入した 4人のクリスチャン平和活動家たちは、2006年10月3日北部準州最高裁の法廷に 立つことになる。

ジム・ダウリング(デイボロー在住)、アデル・ゴールディー(ブリズベン在 住)、ブライアン・ロー(ケアンズ在住)、ドナ・マルハーン(シドニー在 住)は、連邦犯罪法および1952年防衛(特別事業)法違反の容疑に直面してい る。

「すべてのテロに反対するクリスチャン」(CATT = Christians Against All Terrorism)と名乗るグループの一員である4人は、統一裁判にのぞみ、全員無 罪を主張するつもりである。

防衛(特別事業)法が適用されるのは、冷戦のさなかの1952年に制定されて以 来初めてのことである。この法では、不法侵入に対し最高7年の投獄を課すこ とができる。

この法の下では、起訴には事前に法務長官の承認が必要である。本年4月に フィリップ・ラドックは、政治的にも法律的にも史上初めてのこの起訴の決定 により、オーストラリアにおける政治権力と司法権力との境界をあいまいにし た。

2005年12月9日にグループがパイン・ギャップに侵入したのは、イラクやアフ ガニスタンで無辜の市民を殺害する米軍ミサイルの標的確定情報を提供してき たこの基地を、テロ活動の容疑で「市民査察」するためだったと、CAATメン バーのドナ・マルハーンは言う。

「飛行機から爆弾を投下し子供たちを殺害することは、自爆攻撃でそうするこ ととまったく同様にテロだと信じます」と、彼女は言う。「私たちは、いかな る形のテロであれ反対するのです」

「自爆攻撃を糾弾するというのなら、軍隊の爆撃も糾弾するというのは、私た ちがテロの問題でなんらかの知的・道徳的誠実さを維持しようとする以上、当 然のことでしょう」

「私たちの目的は、パイン・ギャップの真実を暴露することであり、市民殺害 との関連を暴くことなのです」

「今も続くイラクでの戦争でパイン・ギャップが果たす役割を、米国・オース トラリア両政府が隠し続けることを許せなかったのです」

「今こそ、オーストラリア一般市民が、このオーストラリアの地で起こってい ることの現実を知るべき時なのです」

基地に入る意図を国防相に通知し、広く表明もし、特別警備強化の警察官も配 備されていたにもかかわらず、グループの2人は警備をすり抜け基地に入り、 発見されるまでに建屋の屋根に登り、垂れ幕を掲げ、写真を撮ることができ た。

1時間後には、すでに明るくなった日差しの中、他の2人のメンバーが周辺規制 地域を歩きぬけ、高い警備フェンスに到着し、メンバーのひとりが警備員に止 められるまでそのフェンスを切り続けた。

この侵入により、基地は約5時間の機能停止に追い込まれた。

この事件によって、オーストラリアの一般社会はパイン・ギャップの秘密性に 疑念を抱き、パイン・ギャップの米国戦争機構における重要な役割への関心を 新たにしたと、ドナ・マルハーンは言う。

「オーストラリア国立大学キャンベラ校の戦略問題アナリスト、マイケル・ マッキンリーは、こう言っています。『確かにしかるべき標的を識別すること に関しては、パイン・ギャップは重要である。(イラク戦争への)パイン・ ギャップの貢献は、どんなオーストラリア兵の派兵よりもはるかに意味があ る』」

パイン・ギャップの4人は、裁判では緊急避難の抗弁によって闘うつもりであ る。

「イラクの状況はあまりに悲惨なので、良心を持つ理性ある市民としては、問 題に対処するためには行動せざるを得なかったのだと、私たちは主張します」 と、マルハーンは言う。

「ニュルンベルク原則、および世界人権宣言と国際人権B規約にてらせば、イ ラクの非常事態とその悲惨な結果の評価は明らかなはずだと、私たちは信じて います」

「私たちの主張は、私たちがとった非暴力介入行動は広範な平和運動の一環で あり、一般市民が不正な侵略的戦争に対処するうえで取れる適切な行動形態だ ということです。特に、私たちの行動は、開かれた、敬意をもって行われたも ので、このため軍とテロリストの脅威に直面して妥当で相応なものになってい ると主張したいと思います」

「オーストラリアは、違法なイラク侵略・占領をおこなってきた米国の断固た る同盟国であり、その結果私たちを、その後イラクで米国が犯す戦争犯罪の共 犯者にしてしまっているのです」

「私たちの行動は明らかに効果的でした、なぜなら政府が『最後の切り札』の ような法律――冷戦期にスパイや破壊工作員用に作った法律――で、手荒く私 たちに反応してきたんですから」

行動と連帯の週間として、オーストラリア全域から活動家を惹き付ける国民的 平和大集会が、裁判期間中アリス・スプリングスで開催される。

さらに詳しい情報は、ドナ・マルハーンxxxx-xxxxxx[訳者注:電話番号省 略]まで

原文:Pine Gap trial date set for Oct 3 + new website URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/185