TUP BULLETIN

速報637号 ドナより 秘密裁判との闘い 061010

投稿日 2006年10月10日

DATE: 2006年10月10日(火) 午後11時13分

ハワード政権は今の政治状況下で真実を語らせないために死に物狂い


オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の 盾」に参加し、04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レ ジスタンスによる拘束を経験、04年冬から05年春にかけてイラク・パレスチナ を旅して、05年8月アメリカからシンディ・シーハンのキャンプケーシーにつ いて報告してくれました。オーストラリアに帰国したドナは自国のテロを見据 え、05年12月に米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献して きたアリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地に向かい民間査察 を強行して逮捕され、最高7年の刑期を課せられるかもしれません。

10月4日に始まったその裁判初日のドナの報告にあった、秘密の制限命令と は? 言いたくても言えない、書くにも書けないドナからの裁判2日目の報告 です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


秘密で、不気味な、制限命令…… ドナ・マルハーン 2006年10月6日

お友達の皆さんへ

木曜日のパイン・ギャップの4人に対するアリス・スプリングス裁判所の法廷 で、何より興味と不安を覚えたのは、非公開の法廷で「秘密」事項を審議でき るようにと、満席の傍聴人に退席が要請された時でした。

秘密事項とは、数週間前にジム、ブライアン、アデル、それに私自身に科され た制限命令に関することです。この命令はダーウィンの非公開裁判で秘密裏に 出され、のちに私たちに手渡されました。

オーストラリア連邦警察官たちも含めた30名ほどが、困惑した表情で法廷から 出て行くときには、背筋に寒気が走りました。聴衆を締め出し聞かせないよう にすることは、今の政治状況下で真実を語らせないために死に物狂いになって いる政府を象徴しているように見えました。

この制限命令は極秘命令であり、内容を話すことができません、さもなくば投 獄1年の危険を冒すことになります。奇妙で、奇怪で、不気味なものです。こ の先何週間か私たちの法律チームがこの命令とたたかうことになります、そう してなるべく早く皆さんに明らかにできればいいと思います。

木曜日にはまた、イラクへ向かう軍用機を使用不能にしたもののアイルランド の陪審員裁判で最近無罪を勝ち取ったアイルランド系オーストラリア人のキア ロン・オライリーをアリス・スプリングに迎えました。彼の行動は飛行機に2 百50万ドルの損害を与えたにも関わらず、陪審員は彼とその仲間たちにはそう すべき「正当な弁明理由」があったとしたのです。言い換えれば、正当な理由 があれば軍事装備を破壊してもいいと言ったわけです! 私たちすべてにとっ て、実に刺激的な結末です。

アデレードの活動家で元イラク「人間の盾」だったルース・ラッセルが、今日 到着し、献身的な各州や地元の支援者たちの一団に参加してくれます。

週末には公開討論会や講習会、それに土曜の午後のパイン・ギャップ・ゲート 前での盛りだくさんな行事を控えているとき、キアロンとルースを迎え、励ま し、勇気づけてもらえるのはすばらしいことです。

地元の人たちの関心も高く、私たちの露店に立ち寄ってパイン・ギャップ問題 について質問したり討論したりしていきます。アリス・スプリングスで開かれ ているアボリジニ・トレス海峡諸島民カトリック委員会(Aboriginal and Torres Strait Islander Catholic Commission)のために当地を訪れる人たち の多くからも大きな関心が寄せられています。委員会の派遣団の何人かが、私 たちの行進と法廷ヴィジルに参加してくれました。司祭の内のひとりは、日曜 朝パイン・ギャップのゲート前で私たちのためにミサをしようと言ってくれま した! パイン・ギャップの職員やその日のためにやってくる警備の人間に は、まちがいなくずいぶん挑戦的な行動でしょう。

一方、シドニーでは日曜の午後、リッチモンド空軍基地で午後12時30分から連 帯行動がおこなわれます。詳細は下に。

下のアドレスで、私たちの裁判の第一段階数日間の写真を見ることができま す。 http://ph.groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/photos/browse/a3e5

さらに詳しい情報は、 http://www.pinegap6.org で。

その他の記事のアドレス http://sydney.indymedia.org/node/38942 http://perth.indymedia.org/index.php?actionfiltered=newswire&parentview=32710 http://www.cathnews.com/news/610/22.php

手に入り次第、もっとニュースを! 皆さんの巡礼者 ドナより

追伸:シドニーの方々、日曜日のオーストラリア反基地連合の行動を支援して ください。参照 http://www.anti-bases.org 「パイン・ギャップの4人に連帯を――あなたの支援が必要!」 12時20分〜1時30分――ピクニックと講演 1時30分〜2時30分――基地フェンス花綱飾り ピクニック:心地よい草地がありそこに座って講演を聴き食事を一緒にしま す。食事、飲み物は各自ご持参ください。 基地フェンス花綱飾り:バナーやプラカード、ウールか布、花や写真などを持 参してください、基地周囲のフェンスに立てかけたり、織り込んだり、くくり つけたりします。 忘れずに用意していただきたいもの:なにか座るもの、ゴミ袋、日焼け止めと 帽子や傘(天候は事前チェックのこと)、それに楽器類。

追追伸:配布または使用のため、制限命令に関するメディア・リリースを下部 に貼り付けました。

追追追伸:「私たちは……自分たちの政府とその政策を統制できないなら、本 当に自由とは言えない。そして私たちは、無知のままでいれば、そのようなこ とは決してしないだろう」――チャーリー・リーズ

[訳者注:以下、メディア・リリース文] キリスト教平和主義者に、秘密制限命令 2006年10月5日

本日、4人のキリスト教平和主義者たちにかけられていた制限命令が、アリス ・スプリングスの北部準州最高裁の非公開審問で補強された。

この命令は、9月14日にダーウィンの非公開裁判でミルドレン判事によって決 定され、後にジム・ダウリング(デイボロー在住)、ブライアン・ロー(ケア ンズ在住)、アデル・ゴールディー(ブリズベン在住)、ドナ・マルハーン (シドニー在住)の4人の被告に手渡されていた。

4人はこの制限命令の内容を明らかにすることを許されておらず、内容を漏ら すと法廷侮辱罪に問われ、重い実刑を受けることになる。

グループは昨年パイン・ギャップ軍事スパイ基地を「市民査察」し、極秘米国 情報収集施設の警備をすり抜け侵入し、建屋に登り、バナーを広げ、写真撮影 をした。

フィリップ・ラドック法務長官は、4人の活動家に重い罪を問えるようにと不 法侵入で最長7年の懲役を科すことが可能な冷戦時代の法律である防衛(特別 事業)法1952年を適用しようした政府に、許可を与え、法的、政治的前例を 作った。

火曜日に、元連邦裁判官ロン・マークル勅撰弁護士を筆頭とするグループの弁 護団は、オーストラリアの米国軍事基地に対する世論の批判を沈黙させようと する政府の企てに挑戦した。

被告側のロウィーナ・オー弁護士は、防衛(特別事業)法は、市民の移動の自 由という基本的人権を制限している、それゆえその適用に当たっては特に慎重 でなければならないと陳述した。

同法は、パイン・ギャップが外部からの侵略に対してオーストラリアの利益を 防衛していると立証することを政府に義務付けている、したがって、もしそれ ができないなら、被告たちは無罪とされるべきであると、オー女史は述べた。

判事は決定を保留し、10月12日(木)に宣告の日にちを設定し、その日にこの 秘密制限命令についてもさらに議論されることになった。

この防衛(特別事業)法1952年は、ばかばかしいぐらい重い罪を科すことに よって、秘密を維持し、パイン・ギャップや他の米国防衛施設に対する活動家 の行動に脅しをかけて抑え込むことを狙っていると、すべてのテロに反対する クリスチャンのメンバー、ドナ・マルハーンは言う。

「この法が今回初めて使われたという事実は、秘密主義と異様な猜疑心で凝り 固まった現在のわが国の政治の風潮を反映しています。パイン・ギャップがイ ラク戦争で中心的役割をはたしているから、政府は後ろめたいのです。だから その秘密を隠そうと必死なのです」と、彼女は言う。

「この裁判は政府が追求している規制のレベルが、過剰なものだということを 示しています、ですから、規制しようとする政府の動きを私たちが抑制してい かなければなりません」と、彼女は言う。

パイン・ギャップとイラク戦争でのその役割に注目を集めるために今週アリス ・スプリングスで開かれる全国平和大集会に、国中から支援者の集団が集まっ てきている。

金曜の夜には、アイルランドのシャノン空港で米軍機に2百万ドル以上の損害 を与えたが最近無罪となった国際的活動家キアロン・オライリーを招いて討論 会が開催される。

同様に、土曜日午後2時に、パイン・ギャップ施設での抗議行動が計画されて いる。

詳しい情報およびインタビューの連絡先は、ドナ・マルハーンXXXX-XXXXXX、 ジェシカ・モリソンXXXX-XXXXXXまで。[訳者注:電話番号省略]

原文:Secret, spooky suppression orders… URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/191