TUP BULLETIN

速報707号 ドナより 陽光降り注ぐ土曜日、パイン・ギャップの午後

投稿日 2007年6月11日

DATE: 2007年6月11日(月) 午後1時54分

パイン・ギャップ市民査察、かたや釈放、もう一方は実刑7年の脅し


 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の 盾」に参加し、04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レ ジスタンスによる拘束を経験し、04年冬から05年春にかけてイラク・パレスチ ナを旅して、05年8月アメリカからシンディ・シーハンのキャンプ・ケーシー について報告してくれました。オーストラリアに帰国したドナは自国のテロを 見据え、05年12月に米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献 してきたアリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地に向かい民間 査察を強行して逮捕・起訴されました。最高7年の刑期を課せられるかもしれ ない裁判がついに始まりました。  裁判期日は2週間と予定されているものの、いつまでかかるか不透明な状態 で何日も続けて行われている裁判の休廷日、6月2日(土)のパイン・ギャップ 正門前市民集会の報告(6月3日付)です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


陽光降り注ぐ土曜日、パイン・ギャップの午後 ドナ・マルハーン 2007年6月3日

お友達の皆さんへ

パイン・ギャップ前の土曜の午後は、すばらしい時間となりました――もうひ とつの市民査察、そして逮捕、それから被逮捕者の釈放! 報告は下記に、私 たちのメディア・リリース文も。

当地アリス・スプリングスの支援者からの写真や報告や日ごとの最新情報が掲 載される私たちの新ブログサイトをチェックしてみてください。 www.pinegapontrial.blogspot.com 土曜日の報道情報は、以下で。 http://www.theage.com.au/news/national/protesters-detained-at-pine-gap/2007/06/02/1180205580925.html http://www.news.com.au/story/0,23599,21839441-17001,00.html?from=public_rss http://www.abc.net.au/news/newsitems/200706/s1940739.htm

南オーストラリア州と北部準州のABCがすばらしいテレビ放送をしてくれまし た、ただもっとやってくれるかは分かりません。

【パイン・ギャップ 6月2日(土)】マーガレットの報告 私たちは今日、ワクワクするような「立ち上がれ」非暴力行動を行いました ――創造的で、歌と儀式と話にあふれた――私の好みです。(ええ、私が手は ずを整えしました!)

パート1――感謝および内省 その国の長老のかたから始まりました。彼は姉と弟と孫たちと一緒に参加して くれて、自分たちの国にようこそと私たちを歓迎してくれたのです。それに応 えて、彼に感謝の気持ちを伝え、私たちの社会や人間が彼の国の人々に及ぼし た影響を謝罪しました。私たちは沈黙のまま佇み、大地を感じ、思いを馳せ、 感謝の気持ちを伝えたのです。

それから私たちは、干からびた骨が生き返るというエゼキエルの予言を聞き、 マタイの八福の教えと、愛を受け入れ恐れをなくせというヨハネの福音書14章 のイエスの教えを聞きました。これは聖霊降臨祭の行動でしたので、イラクで 死んだ人々の名前を書いた黒いカードを、それに私たちを神の御代に導いてく れた、ないしは導いてくれる人たちの名前を書いた燃えるような赤のカード を、十字架に貼り付けました――オスカル・ロメロ、ガンジー、ルーサー・キ ング、シーズ・オブ・ホープ、プラウシェアズ、キアロン・オライリー――み んな、私たちが好きな英雄です。

歌を歌いました――聞け、正義の叫び声を、行け、われらが大地を通って…… そして立ち上がれ、鷲の翼に乗って立ち上がれ。

パート2――変革 パイン・ギャップ正門の看板を「パイン・ギャップテロ基地」と変え、それか ら「パイン・ギャップ平和基地」に変えました。

……そして、その前の路上に紫色の花でかわいい平和のシンボルを作りまし た。その間スチュが「銃には花を」を歌ったのです――「さあみんな、銃には 花を詰め込もう。この陽の下のすべての者で、銃には花を詰め込もう」

パート3――査察 ヘレン・コルディコットの米国戦争機構についての話を聞きました、ブライア ンの裁判についての話を聞きました、エドワードの話も聞きました。

パイン・ギャップの4人に祝福の言葉をささげました。

それから、集団市民査察を開始しました。残念なことに、3回も申し込みをし たのに私たちの査察に許可は与えられませんでした。私たちは再び結集しまし た。

エドワードとテリーは、当局の承認がなくても査察を実行する覚悟を決めたの です! ですから、市民の集団で承認を与えました。

エドワードとテリーは進み出て、任務を遂行しようとフェンスを登ったのです ――そうです、有刺鉄線を乗り越えて。残念ながら、フェンスの向こう側で逮 捕されてしまいました。

私たちは歌いました。「鎖は鎚で断ち切って、もう黙っちゃいられない。今こ そここで立ち上がり、暴力とたたかう権利を守るんだ」

続けて歌いました。「正義のうねりを河のように……」

そして、帰ったのです……

(おおー、テリーとエドワードは釈放されて、真っ先に私たちの愛する腕に 戻ってきました、刑事事件にされることもなく、怪我をすることもなく)

……疲れました――留置場連帯ヴィジルをする必要がなく幸いでした! 愛するマーガレットより

[訳者注:以下、ドナたちのメディア・リリース文] パイン・ギャップ、市民査察で逮捕者 本日、アリス・スプリングス郊外にあるパイン・ギャップ・スパイ基地で、先 端に有刺鉄線を張り巡らせた高さ9フィートのフェンスをよじ登り、第2次「市 民査察」を実行しようとした2人が逮捕された。その2人エドワード・クランズ ウィック(アデレード在住)とテリー・スパックマン(ケアンズ在住)は、の ちほど刑事手続きをとられることもなく釈放された。

一方、第1次市民査察のチーム――ドナ・マルハーン(シドニー在住)、ブラ イアン・ロー(ケアンズ在住)と、アデル・ゴールディーおよびジム・ダウリ ング(ともにブリズベン在住)――は、7年投獄される可能性に直面してい る。パイン・ギャップの4人として知られるこのグループは、まだ試されたこ ともない防衛(特別事業)法1952年に基づき、「禁止区域」と宣言された場所 に不法侵入したとして起訴されている。

本日の行動は、2005年のこのグループの査察に連帯を表明するものとして彼ら の支援者によって行われた。午後2時にはパイン・ギャップ正門前で市民集会 が始まった。伝統的土地所有者のパトリック・ヘイズ氏が、60人以上集まった 群集に自分の土地に来てくれて歓迎すると声をかけた。

「これに参加できて本当によかった」とヘイズ氏は語った。「この群集はいい 群衆です。私にとって問題のない人たちです」

反核運動家のヘレン・コルディコット博士も集会で演説した。

「この殺人マシーンは、やめさせなければなりません」と、コルディコット博 士は言った。「今日ここにいるこの子らのためだけではありません、後世の 人々のためにもです」

「パイン・ギャップは米国の戦時の作戦に不可欠な役割を果たします」と、彼 女は続けた。「CIAがオーストラリアの政治に介入するためにも使われていま す、それに世界人口の半分をスパイする能力を米国に与えているのです」

「核戦争が起これば、パイン・ギャップは第1級の標的です。、パイン・ ギャップは、アリス・スプリングスと一緒に最初に攻撃されるもののひとつと なるでしょう」

デモ参加者たちは、大きな木製十字架にイラク戦争で殺された人々の名前を書 いた幾枚ものカードを貼り付け、平和のために立ち上がった人々の名前が書か れたカードも貼り付けた。パイン・ギャップを閉鎖するよりも変容させようと する思いから、「パイン・ギャップ・テロ基地」と施設名を書き換えた標識が 掲げられ、そののち「パイン・ギャップ平和基地」と修正された。

それから参加者たちは、警備責任者のケン・ネイピアに査察の許可を正式に申 し入れたが、許可は拒否された。テリー・スパックマンとエドワード・クラン ズウィックはこれに満足せず、基地の防護フェンスをよじ登り始めた。彼らを 止めようとはしなかった北部準州警察官は、フェンスを越えて入ることは不法 侵入になると警告した。反対側で待ち受けていたオーストラリア連邦警察官が 即座に彼らを逮捕した。わずかばかりの話し合いのあと、彼らはなんの咎を受 けることもなく群集の喜びの声と拍手の中に開放された。

パイン・ギャップの4人の裁判は、北部準州最高裁で6月4日(月)午前10時か ら再開される。 [訳者注:メディア・リリースここまで]

イベントと逮捕の写真は、www.pinegapontrial.blogspot.com で見ることがで きます。

原文:A sunny Saturday afternoon at Pine Gap… URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/210

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