TUP BULLETIN

速報717号 ドナより 完全自由で、お祝いモード

投稿日 2007年6月29日

DATE: 2007年6月30日(土) 午前7時42分

正しさが証明できたと感じています! 世界中の支援者の方々に感謝します


 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の 盾」に参加し、04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レ ジスタンスによる拘束を経験し、04年冬から05年春にかけてイラク・パレスチ ナを旅して、05年8月アメリカからシンディ・シーハンのキャンプ・ケーシー について報告してくれました。オーストラリアに帰国したドナは自国のテロを 見据え、05年12月に米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献 してきたアリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地に向かい民間 査察を強行して逮捕・起訴されました。  そして、最高7年の刑期を科せられるかもしれない裁判がついに始まりまし た。連日行われてきた裁判は3週間もかかり、6月14日(木)に陪審員の評決が 下され、15日(金)午前に判決が言い渡されました。判決が出た後の15日午後 にドナから送られてきた報告です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


完全自由で、お祝いモード ドナ・マルハーン 2007年6月15日

お友達の皆さんへ

スパイ基地パイン・ギャップに侵入し、基地機能を遮断に陥らせた私たちが軽 い刑罰で終わって、実にお祝い気分です。

判事は、その気になればできる極端な刑罰を与えることは拒否しました。

彼女はその説明で、私たちを褒め称えその誠実さと人格の良さにも触れまし た。

私たちの正しさが証明されたと感じています!

今朝、ヴィジルをしてくれたシドニーの方々に感謝します。

ブログをチェックしてみてください、写真があります。 www.pinegapontrial.blogspot.com

メディア・リリースは下に。

のちほど、もっと!

イェーイ!! 愛を込めて、ドナより

[訳者注:以下、メディア・リリース文] パイン・ギャップ裁判報告――判決 2007年6月15日(金) パイン・ギャップの4人、実刑なし

本日北部準州最高裁で実刑判決が出されず、4人のキリスト教平和主義者はお 祝い気分であった。

防衛(特別事業)法1952年違反で有罪とされたパイン・ギャップの4人は、軽 い罰金刑を科された。

傍聴席では歌声が沸き起こり、拍手喝采のなか抱き合う姿が見られ、勝利と正 当性が立証されたという気分が蔓延した。

サリー・トーマス判事は、訴訟過程における被告たちの品行の良さと協力に言 及した。

「4人は全員、非常に純粋に自らが信奉する大義を追求しています」とトーマ ス判事は述べた、「しかしながら、彼らの行動が――その大義がなんであれ ――法を破ることを正当化することにはなりません」

ジム・ダウリングは1250豪ドル[訳者注:約13万円(現在1豪ドル=約104 円)]、ブライアン・ローは1000ドル、ドナ・マルハーンは450ドル、アデル ・ゴールディーは550ドルの罰金に処せられた。フェンス修理費として各自 2500ドル支払うことも求められている。

トーマス判事は、パイン・ギャップには抗議と不法侵入の著しい歴史があり、 過去の不法侵入者には罰金が科されてきたことを指摘した。「実刑について語 ることには、大きな飛躍があります」と木曜日の法廷で述べた。

「実刑判決は最後の手段のひとつです」

サリー・トーマス判事は11日間の裁判を通じて、パイン・ギャップがイラク戦 争で果たす役割がイラク市民の死と苦難を生んでいるという被告たちの信念を 含めて、彼らが証言することを許してきた。のちに彼女は陪審員に、被告たち の証言も、共感を持ったかもしれない被告たちの信念も無視するようにと指示 した。

2005年12月9日、ケアンズのブライアン・ロー、ブリズベンのジム・ダウリン グとアデル・ゴールディー、シドニーのドナ・マルハーンが市民査察実行のた めパイン・ギャップの「禁止区域」に侵入したとき、彼らは起こり得る結果を よく自覚していた。司法長官フィリップ・ラドックは彼らの行動を非常に重要 視し、適用されたこともない55年前の法律、防衛(特別事業)法でこのグルー プを起訴した。

しかしその結果は、罰金や刑法上の刑罰よりはるかに重いものとなる。パイン ・ギャップの4人は市民査察を実行し、戦争機構を中断させ、その中核である ミサイル誘導システムにオーストラリア人の関心を引いたのである。

今日の判決のあとで、ロー氏は「それでも私たちは勝利したのです。私にとっ て、これは不法侵入の問題ではありません、道義の問題なのです」と言った。

「私たちの行動は、公衆の面前でパイン・ギャップの戦争遂行機能に効果的に 介入し、短期的にはイラク戦争の被害を抑え、中期的には世界的軍縮をもたら す有効なキャンペーンとして計算されていた、また計算されているものなので す」

「道義にかなうことは必ずしも合法ではありません、また道義に外れたことが 必ずしも非合法ではないのです。道義的信条を追求する際にさまたげとなる、 しかもさほど重要でもない法律があれば私はこれからも破るでしょう」

マルハーン氏は涙ながらに説明して、「私がくい止めようとする犯罪の大きさ に比べたら、それは私にできる最低限のことだと思いました。戦争をとめるた めに何かをするとイラクの人々に約束したことを、私は果たそうとしたので す」と言った。

「私のやったことは、軍事基地を公正で開かれた別のものに変革しようとする 試みだったのです」

裁判の終局場面でマルハーン氏は、自分が履いている染みの付いたハイキング 用ブーツを指し示した。米軍が爆撃した直後のイラクの市場で彼女はそれを履 いていたのだった。

「今この法廷で、私のブーツには血の跡があります。人間の血です、それはパ イン・ギャップの標的座標決定のためです」と彼女は言った。

ダウリング氏は、「何十万人に及ぶ市民の大量殺戮という、本質的に戦争犯罪 を犯しているものに抵抗するために基地に行ったのです」と陪審員に言った。

ゴールディー氏は、パイン・ギャップの役割は人道に対する罪に当たると指摘 した。「このような驚異的に重大な罪を防ごうとする私の行動は、合法なので す」と、ニュルンベルク原則に言及して述べた。

パイン・ギャップの最高責任者補佐マイケル・バージェス氏に対する反対尋問 で、マルハーン氏が訴追容疑の過酷性について質問した。彼女はバージェス氏 に、数百人が「禁止区域」に侵入した1987年のデモを知っているかを尋ねた。

「あなたは、彼らのうち何人が、この法律で起訴されたかご存知ですか?」 と、彼女はバージェス氏に聞いた。

「ひとりもいないと思います」と、バージェス氏が答えた。

パイン・ギャップを囲む秘密の覆いは、裁判期間を通じて維持された。裁判の 初期段階では、連邦側が提議した公益を理由とする秘匿特権をサリー・トーマ ス判事が支持決定した。「パイン・ギャップ合同防衛施設の業務に関する情報 は、検察側の申し立てにより開示されるかもしれないが、その場合を除いて本 件事案と関連性を持たない」と、決定にある。

これに対してジム・ダウリング被告は、「つまり、彼らは、私たちに問いただ す機会も与えることなく彼らの望む情報を提出できるということですか?」と 尋ねた。トーマス判事はそれを認めた。

パイン・ギャップの4人は、彼らの逮捕にオーストラリア安全保障情報機関が 関与したことに関し既に2006年ダーウィンの秘密法廷で科された制限命令に挑 戦し成功していた。

被告人たちが証拠の一部として1999年の両院合同常任委員会報告を提出する意 思を示したときには、議員特権の問題が持ち出された。マルハーン氏は連邦側 の提議に反対して、それはその法の「心に響く感じ(vibe)」に反すると主張 した。

「代理人なき被告人として許していただけると思うのですが、映画の『ザ・ キャッスル』から引用させていただきます、裁判官」と、彼女は言った。「そ う心に『感じる』んです、それはこの法律の『心に響く感じ』とはまったく違 うのです」 [訳者注:映画「ザ・キャッスル」については[TUP-Bulletin] 速報634号 ド ナより 「ザ・キャッスル」のように http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/686 を参照のこと]

この報告は公記録にあるにも関わらず、トーマス判事は議員特権法1688年の16 条(3)を根拠としてその証拠採用を認めなかった。マルハーン氏はこれでは 不公正な裁判になると重大な懸念を表明した。 [訳者注:この記録のリンク先が一番下にある]

被告人のひとりから「不思議の国のアリス以上の戦法」と描写されたシュール な動きを見せた検察官は、パイン・ギャップの模型を、防衛(特別事業)法 1952年2条(禁止区域……[の]写真、スケッチ、図面、模型……を所有、収 集、使用した者は、違反した者として有罪とする。最高刑7年)を根拠として 連邦に没収すべきだと主張した。この模型は、6月5日に証言の要点を明確化す るためとして法廷に提出されていた。これは基地の市民査察に先立ち、グーグ ル・アースの写真を用いて参考のために作られたものである。

被告たちは、自分たちの行動の合法性を主張するために刑法典10条の3、4、お よび5(必然性、他者の防衛、その他)を論拠に使おうと計画していたが、木 曜日にサリー・トーマス判事により認められないと裁定された。検察側は9人 の弁護士や法律家を代理人に立てていたが、パイン・ギャップの4人は代理人 なしで弁護してきた。

この裁判は、司法長官の関与と時代遅れな法の適用が、オーストラリアの言論 および政治的表現の自由に悪影響を及ぼすのではないかと関心を寄せる国際的 な法曹界から事態の進展をじっくりと見守られてきた。

【パイン・ギャップの4人の声明】 アリス・スプリングスの、オーストラリア全国のそして世界中の支援者の方々 すべてに感謝します。

私たちは、一般庶民がこの世界を変えうる強力な方法である非暴力抵抗運動へ の取り組みを再び始めます。

他の方々も戦争に反対して次のステップを踏み出されるよう奨励します。

地元平和グループに参加しましょう、またはもしできるなら、来週クイーンズ ランド州で始まる米豪合同軍事演習――タリズマン・セイバー作戦――に挑戦 する活動を支援してください。

「今や選択は、暴力か非暴力かではない」と、マーティン・ルーサー・キング 牧師は言った、「選択は非暴力か非生存なのです」

レポート26[訳者注:条約に関する両院合同常任委員会の報告] http://www.aph.gov.au/house/committee/jsct/reports/report26/report26.pdf

原文:[The Pilgrim] We are all free and celebrating!!! URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/219