TUP BULLETIN

速報743号 ドナより 第1ラウンドは、我らがロンに!

投稿日 2008年2月26日

DATE: 2008年2月26日(火) 午後9時18分

なぜこの特殊な方針がこの被告たちに向けられたか、誰かが問いただすべきだ


 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年の春にはイラクでの「人間 の盾」に参加した。04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元 レジスタンスによる拘束を経験し、つぶさにそれらを報告してくれた。04年冬か ら05年春にかけては「巡礼の旅」をしたイラク・パレスチナの話を伝えてきた。 05年8月には、シンディ・シーハンのキャンプ・ケーシーに駆けつけ、アメリカ からのその報告は、ほとんど実況中継だった。  オーストラリアに帰国したドナは、自国のテロを見据え始めることになる。米 国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献してきたのは、アリス・ スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地だ。05年12月、ドナたちはこの基 地に向かい、民間査察を強行して逮捕された。起訴された事案は、刑罰が最高7 年の実刑だ。裁判の結果、07年6月に、罰金刑と損害賠償を命じる判決を受けた が、それは新しい旅の始まりであった。  罰金支払いに代えた刑期5日間を終えて、迎えた上訴審初日の報告です。 (翻訳:福永克紀/TUP)


第1ラウンドは、我らがロンに! ドナ・マルハーン 2008年2月20日

お友達の皆さんへ

ダーウィンの北部準州控訴裁判所でおこなわれた「パイン・ギャップの4人」上 訴審の初日が終わったあとも、私は一日中穏やかに断言してきたことを繰り返す でしょう――「私たちは勝ち続けていると思う……」

そう言ったあとでも、私たちの弁護団はまだ論証中だし、検察側はまだ発言する 機会もなかった事実は気になっています。しかしそれは些細なことです!

でも現実的には、明日の昼食時間までには、私はまったく違った意見に達してい るかもしれません。

告白しなければなりませんが、私はこの上訴審で私たちの判決が覆されると本当 に期待したことなどありませんでした。しかし今朝、他ならぬ私たち自身の勅撰 弁護士ロン・マークルにそのことを認めたら、彼の返答は、「どうして、だめな のかね? 目的は勝利することなんだ!」でした。

それから彼は、5時間にも及ぶ目もくらむような法律的主張を展開する弁論をお こない、私と私の疑いなど圧倒してしまいました、しかもほとんど息継ぐ暇もな く!

私たちは最初の法律議論に勝利しました――連邦政府とその機関(国防省、連邦 警察、安全保障情報機関(ASIO)などです)が訴訟当事者として加わりその弁護 人たちが訴訟に参加するという申し立てです。

どのような第三者の介入も、訴追人の検察と被訴追人の争論に「干渉」すること になる、とロンが主張しました。

「それは原理の問題として重要なことです。介入に関する原則はきわめて明白で す」と、彼は弁論しました。

「検察と政府は、相等しい申し立てをするでしょう。それは被訴追人に対する二 者共同攻撃に他なりません」

1時間の審議から戻ってきた判事3人の合議団は、政府の介入を認めませんでし た。

第1ラウンドは、ロン・マークルが勝ったのです。

政府の弁護団(5人)は、荷物をまとめて撤退しました。

それはいい兆しでした。

それから、実際の上訴の内容が始まりました。ロンが上訴の論拠を説明し始めま した。それはとても専門的で複雑なものです。防衛(特別事業)法1952年(私た ちはこの法律で起訴された)で規定される「禁止区域」とは何かという定義に関 することであり、裁判での不当手続きの問題に関することです。

パイン・ギャップの抗議者たちは、普通は不法侵入で起訴され下級裁判所で扱わ れてきたこと、およびかつて防衛(特別事業)法1952年で起訴されたものは一人 もいないことの重大性を、ロンは判事たちに思い起こさせました。

「2005年の違反の時点でこの法律によって引き起こされた問題は、1952年の昔に 議会が念頭においていた問題ではないのです」と、彼は言いました。

「パイン・ギャップは、1952年の議会の思慮には含まれていなかったのです」

「この法規は、いかなる区域であろうとも禁止区域とし、侵入者を7年の投獄に 処するという絶大な力を持っています」

「この法は、議会を通過後42年の2005年には、このような異様な結果を生み出し ているのです」

続く5時間の法律的主張のもっと詳しい内容はここでは省きますが、判事たちが 専門的な質問をたくさんおこない、誰もが議論についていこうと最大限努力する ものでした。しかし、ロンの結論は明確でした。原判決の判事が犯した誤りのた め、この判決は破棄され裁判は打ち切られるべきである。

そして、彼は次の疑問を残しておいたのです。

「なぜこの特殊な方針がこの被告たちに向けられたか、誰かが問いただしてもい いはずです」

本当に、誰かがしてもいいはずです。

上訴審に先立ち裁判所前でおこなったヴィジルでも、また法廷の中でも、地元の 人たちから強い支持を受けました。また、今夜にはABCテレビでもすばらしい報 道が。

ロンは今日、弁論をやり尽くしたのではありません。明日、午前10時から継続し ます。

次のニュースはまた明日。 ドナより

追伸:ケンを覚えています? この2年間で私たちがとてもよく知ることとなっ たパイン・ギャップの警備責任者です。彼も休暇をとっていて、傍聴人として在 廷することができました。法廷には彼やそのほかにも多くの見知った顔があり、 検察側のある弁護士が言いました。「まるで、家族の再会だ!」

原文:Appeal: Round one to our Ron! URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/229

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