TUP BULLETIN

速報827号 ドナより 本の最新情報、ガザに行くことなど(修正版)

投稿日 2009年10月8日

米国も欧州連合もラッド政権も国際社会も共犯者。ガザ包囲攻撃は続く。


オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年の春にはイラクで「人間の盾」に参加した。04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レジスタンスによる拘束を経験し、つぶさにその報告をしてくれた。04年冬から05年春にかけてはイラク・パレスチナ「巡礼の旅」を伝えてきた。05年8月には、シンディ・シーハンのキャンプ・ケーシーに駆けつけ、アメリカからの報告は、ほとんど実況中継だった。05年12月にはオーストラリアがイラク戦争に最も貢献してきたパイン・ギャップ秘密基地に侵入し、3人の仲間とともに「市民査察」を強行した。冷戦の遺物である防衛(特別事業)法1952年に基づき裁判にかけられたが、08年2月に第2審で無罪判決を勝ち取った。
 その後、講演をして国内をかけめぐりながら、これまでの「巡礼者」物語を書物にしようといそしんできたドナが、本の完成と新しい旅立ちを報告します。
(翻訳:福永克紀/TUP)



本の最新情報、ガザに行くことなど
ドナ・マルハーン
2009年9年22日

お友達の皆さんへ

暖かくて彩り豊かな春のシドニーからご挨拶、今後の数カ月間、私が何をしようとしているのか、ちょっとお知らせを……

本の話:
もしそれは完了しましたと私が言えば、信じてくれる人はいますか? 何年も経ったのに? そう、それがほとんど完了したのです。本はいま校閲段階で、平たく言えば誰かが私のアポストロフィーやコンマなどすべてを加筆訂正するのに精を出しているということです。数週間以内にデザインやページレイアウト段階に進み、それから表紙のデザインなどに進みます。印刷所に入るのは12月で、1月に配布の準備を整え、2010年2月1日に本屋に並ぶ予定です。

書名についていっぱい議論をしたあと、出版社は当然の選択とは思えないものを選びました。出版社がそうしたのは、この本がただ単に戦争に関する話というよりも、むしろ物理的にも内面的にも平和を実現しようとする一人の人間の旅の話だと示したかったからです。編集者は、あるひとつの場面がこの本のテーマを表していて重要だと言うのです。バグダードの病棟で白血病のために死ぬイラク人少女アリアンと会ったときのことです。彼女のベッド脇で私が経験したこと——疑問、痛み、涙、そしてアリアンが与えてくれた希望——それは深遠で神聖なものでした。皆さんの多くは私のこの話を聞いたり彼女の最後の日々の写真を見たりしたことがあるはずです。
[訳者注:アリアンの話は、訳者がドナの話を翻訳し始める前の、2003年3月2日付けのメッセージに初めて登場するが、未訳である。
http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/4 ]

書名は『アリアンの目に浮かぶ真実——わが旅、人間の盾としてバグダードへ』か、これに沿ったものになるでしょう。

「巡礼者」メーリングリストの会員のかたには、いつどのようにして本を注文できるか最初にお知らせします。来年2月からオーストラリア中で発売記念会や朗読会など多彩なイベントが行われますので、すべての最新情報をお届けするつもりです。

私の本の背表紙にはピア9印が付きます。ピア9印は、マードック出版社のノンフィクション部門のマークです。今ここで、マードック出版社がルパート・マードックとは何の関係もないことを言っておくべきだと感じています!マードック出版社は、実際にシドニーを拠点とする独立系の国際的出版会社です。ピア9印は、回顧録、伝記、歴史、そして人間として興味を抱く物語に付けられるやや新しめのマークです。 http://www.murdochbooks.com.au/ をご覧ください。所々でルパート・マードックのメディア独占網を批判している私の本が、その発売に彼の資金が絡んでいたとしても私が気にもとめないわけではありませんが、そうだとすると面白いアイロニーだったでしょう! しかし、今回はそういうケースではなくて……

ガザへ出発:
違法なガザ封鎖を打ち破り人道援助を届けようと世界中から集まる数百人の運動に加わるため、12月にエジプトに向かい、ガザ自由行進(Gaza Freedom March)に参加します。

これは、国際法を甚だしく違反して大量被害を巻き起こしているイスラエルのガザ封鎖に対する非暴力抵抗運動です。1月のイスラエルによるガザ攻撃以来、この封鎖でコンクリートなどの資材も資源も輸入を許されず、住民たちは再建するにも荒廃から回復しようにも手だてがありません。アムネスティ・インターナショナルは、このガザ封鎖を「ガザ全住民に対する集団的懲罰の一形態であり、ジュネーブ第4条訳でイスラエルに課された義務の甚だしい違反」だと評してきました。国連人権理事会の占領地パレスチナ人権状況特別報告者リチャード・フォークは、イスラエルのガザ封鎖は「人道に対する罪」に値すると宣告しました。

ジミー・カーター元米国大統領は、ガザに捕らわれているパレスチナ住民は「動物のように」扱われていると言い、「150万人の住民から生活必需品」を奪っている「ガザ包囲攻撃の終焉」を訴えています。

米国も欧州連合も、ラッド政権も残りの国際社会も、沈黙を守る共犯者です。でも、ガザに対する包囲攻撃は続くのです。今こそ私たちが行動するときです。2010年1月1日、私たちはガザのパレスチナ住民とともに行進し、この不法な封鎖を突破する非暴力デモで新年を飾るでしょう。

この行進の目的は、ガザ包囲攻撃をやめさせ、イスラエルに封鎖の終了を要求し、エジプトにガザのラファとの国境を開放するように要請することです。パレスチナ人が、勉強や仕事で、さらに切望される医療のために移動し、国外からの訪問を受けられる自由を手に入れるべきです。

もし一緒に行くことをお望みならば、どうか登録し、連絡してください。すでに他の2団体と接触があり、3団体提携の小グループで、オーストラリアや世界中から来る多くのグループに加わります!
http://www.gazafreedommarch.org/article.php?list=type&type=416 を参照。

【エドムンド・ライス若者ネットワーク・シドニー】
(私の仕事の一環として)立ち上げようとしている胸躍るプロジェクト、エドムンド・ライス若者ネットワークは、シドニーの若者のために正義と行動と瞑想の神学をサポートする新しいネットワークです。

若者(自己定義で結構)の皆さん、それに興味がありそうだと皆さんが考える友人や仲間も、ネットワークの立ち上げにご招待したいと思います。

今度の日曜日、9月27日、午後1時から4時まで、バルメイン(テムズ通4)のクリスチャン・ブラザーズ裏の素晴らしい野外で、バーベキューの昼食と午後の時間を楽しみます。ドナ・マルハーン xxx@xxxxx または電話xxxxxxxx に9月24日までにご返事ください。道順とバス情報と詳細すべてが載っているチラシを同封しています。
[訳者注:TUPでは添付不能です。ダウンロードするには、
http://d.yimg.com/kq/groups/8622025/425897036/name/ERN で]

このネットワークの目的は、若者が集まり、社会正義を求めたりボランティアをしたりする人生の旅を、そして行動と瞑想の霊性を、皆で共有する機会を供給することです。

若者が行動と瞑想の霊性を経験できるように支援するために、討論会や講演会、食事会や夜間上映会、瞑想や黙想の日などの多面的プログラムにエドムンド・ライス青年ネットワークが関与していくように期待されています。共同体生活の新しい形も模索されるでしょう。9月27日のたち上げは、将来のイベントを夢に描き討論し計画していく機会を提供するでしょう。

これについては大量のエネルギーと興奮があふれており、もっと大きなものに発展すると感じています!

同様に、「イエスが誰を爆撃するというのか?」というテーマで「酒場の霊性」で講演します。11月10日(火)午後7:30〜9時、ライカート、パラマッタ通り345、ボールドフェイストスタッグホテル(パラマッタ通りとバルメイン通りの交差点)です。

同様に、12月のメルボルンでの世界宗教会議に参加される皆さんにもお会いできるよう望みます。とても素晴らしい時となるでしょう。
http://www.parliamentofreligions.org/

今日はここまで、上記イベントのどれかでお会いできることを、さもなくばガザで!

皆さんの巡礼者
ドナより

追伸:この週末には、パーチェ・エ・ベーネが主催する皆が集まれる場所がまだあると思われます。

【非暴力和平仲裁——あなたのコミュニティで……、あなたの世界で……】
2009年10月23日〜25日(金曜午後7時〜日曜午後5時)ニューサウスウェールズ、カトゥーンバ、キリスト、ガンジー、キング牧師の伝統を受け継ぐ積極的非暴力の原理と力。
個人的変革と社会的改革の連結。非暴力の力を実践に取り入れる具体的技術。
さあ参加して学びましょう。パーチェ・エ・ベーネ豪州非暴力サービス主催。
もっと詳しくは、
http://paceebene.wordpress.com/2009/08/10/nonviolent-peacemaking-in-katoomba/
登録には、xxxxx@xxxxx でジャスティン・ウェランに連絡を。

追追伸:【アフガン戦争8年に抗議——2009年10月8日(木)午後5時30分、シドニータウンホール】
講演者:アフガニスタン人活動家リズ・ワキル。緑の党NSW州議会上院議員リー・リアノン。ジム・ケーシーNSW消防隊組合事務局長。ポール・マカリアー豪州海事労働組合(NSW支部長)。ジェイク・リンチ平和・紛争研究センターディレクター。
アフガニスタン侵略と占領の8周年、アフガニスタンの人々に対する戦争をやめさせ、外国軍の撤退を求める行動の日に、戦争をとめよう連合・シドニーは国際コミュニティに参加する。詳細は、 http://www.stopwarcoalition.org
で。

追追追伸:「ガザ封鎖は現地の人々に死を、破壊を、苦痛を、苦難をもたらしてきた。国際社会が助けを求める彼らの叫びを無視することは許されない」——ジミー・カーター元米大統領

原文:[The Pilgrim] A book update, going to Gaza etc
URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/237