出版本『普通の勇気』のこと、そして、スワン島秘密軍事基地のことを

オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、２００３年の春にはイラクで「人間の盾」に参加した。０４年春にはイラクで米軍包囲下のファッルージャに入り、その帰路地元レジスタンスによる拘束を経験し、つぶさにその報告をしてくれた。０４年冬から０５年春にかけてはイラク・パレスチナ「巡礼の旅」を伝えてきた。０５年８月には、シンディ・シーハンのキャンプ・ケーシーに駆けつけ、アメリカからの報告は、ほとんど実況中継だった。０５年１２月にはオーストラリアがイラク戦争に最も貢献してきたパイン・ギャップ秘密基地に侵入し、「市民査察」を強行して逮捕されたが、０８年２月に無罪判決を勝ち取った。０９年末から１０年初頭には、イスラエルによる包囲封鎖に苦しむパレスチナ・ガザ地区に入って援助を届け、現地から報告してきた。１０年２月に、『普通の勇気――わが旅、人間の盾としてバグダードへ』を出版した。
今回は、この本のキャンペーンの報告と、スワン島秘密軍事基地の報告です。スワン島は、ビクトリア州の州都メルボルンが臨むポートフィリップ湾の入り口、メルボルンの南方およそ１００kmに位置するクイーンズクリフのすぐ北側にある面積１．４平方kmほどの小さな島である。陸路はクイーンズクリフからつながる自動車道だけである。立ち入り禁止区域とされるこの島にある軍事基地は、オーストラリア陸軍特殊空挺部隊とオーストラリア秘密情報部が使用しているとされるが、その実態は国民にも明らかにされていない。２０１０年３月３１日、ボンヘッファー平和集団と名乗る４人がこの基地に侵入し、「衛星通信非常停止」と記されたボタンを押して、基地を機能停止状態に追い込み、パイン・ギャップ基地と同じくスワン島基地がイラン・アフガニスタン戦争を続ける米国戦争機構の一環であることを明らかにした。
（翻訳：福永克紀/TUP）

 

「巡礼者」のアップデートとニュース

ドナ・マルハーン

２０１０年５月１９日

 

お友達の皆さんへ

 

とりあえずこの「巡礼者」の活動情報のアップデートだけを……、それと現在メルボルン地区で計画されている力強い反戦行動のニュースを……

 

アップデート――２月に、実に長い（まあ、５年です）書き物をする懐胎期間のあとで、ついに私の本『普通の勇気』を産みだし、（私と同じように）皆さんの多くも安堵されたことでしょう。「出産」の喩えは、多くの理由でぴったりです。まず思い描くのは、厄介な妊娠期、長引く分娩、陣痛、涙、そのあとの安堵……！　それで、すべての親御さんが御存じのように、終わったわけではありません。出産のあとには注意を怠れない幼児がいるのですから！

 

こうして生み出した私の子供が、私を、国内外いたるところに連れまわります。そうして、シドニー、パース、アデレード、ブリズベン、ブルーマウンテンズ、サンシャイン・コースト、オークランドで出版記念会や催し会を重ねてきて、つい先週はキャンベラででした……ヒュー！　大変疲れることでしたが、皆さんがたの多くと相まみえることができて素晴らしいことでした。

 

しばしば本の調子はどうですかと聞かれますが、あいにくちゃんとした回答を持ち合わせていません。本の反応という意味では、とても素晴らしくて、主要出版物でも好意的書評を受けており、大変ホッとする気持ちです。そして多くの人がわざわざ出向いてきて、直接褒めてくださって、素晴らしいことです。販売という意味では、本当に、私はなにも知りません。その方面のことには私は全く携わっていなくて、お話しできる報告はなにも受けていませんが、私の感じでは安定調子だろうと……。今後、もっと正確な見解を持てればと希望しています！

 

では、皆さんの近くで行なわれそうないくつかのイベントだけですがお知らせします。

 

＋５月２１日：シドニー・ライターズ・フェスティバル

超積極行動主義、米国の作家マイク・オターマンによるインタビュー、入場無料

場所：ウォルシュ湾　ヒックソン通り４－５号　シドニー・フィルハーモニア

合唱団スタジオ

日時：５月２１日（金）午後２時３０分～３時３０分

http://http://www.swf.org.au/component/option,com_events/Itemid,124/agid,2153/task,view_detail/

 

＋５月２７日：ニューカッスル出版記念会

場所：ハミルトン　ボーモント通り６９　マクリーンズ書店

日時：５月２７日（木）午後６時

入場無料、マクリーンズ書店に出欠連絡を。電話49692525

sales@m…

http://www.macleans.indies.com.au/StoreEvent.aspx

 

＋６月１０日：メルボルン出版記念会

場所：カールトン　ライゴン通り３０９　リーディングズ書店カールトン店

日時：６月１０日（木）午後６時３０分

特別ゲストとの対話

http://www.readings.com.au/events

入場無料、ただしリーディングズ書店カールトン店への出欠連絡を

電話93476633 events@r…

 

＋８月２４日：ホバート

場所：フラーズ書店ホバート店

日時：８月２４日（火）（詳細は今後）入場無料

 

＋８月２６日：ローンセストン

場所：フラーズ書店ローンセストン店

日時：８月２６日（木）（詳細は今後）入場無料

 

＋９月：ブリズベン・ライターズ・フェスティバル

場所：ブリズベン

日時：９月１日～５日（詳細は今後）

 

他のニュース――アフガニスタン戦争を「非常停止」させるボタンを押す行動に皆さんを招待します！

 

２０１０年イースターの前の週に、「ボンヘッファー平和集団（Bonhoeffer Peace Collective）」はスワン島軍事基地に出向き、アフガニスタン戦争を停止させる非常ボタンを押しました。彼らは、６月１６日（水）にジロング下級裁判所に出廷しますが、戦争に対する行動的で活発な抵抗を祝賀するその日に皆さんも彼らとともに参加されるよう望んでいます。私たちは午前９時にジョンストン公園（レールウェイ・テラス通り、ジロング下級裁判所の向かい）に集合し、そこから裁判所に行進します。自分の昼食は持参ください。

 

裁判のあとで、クイーンズクリフにあるスワン島への入り口にボンヘッファー平和集団が戻る際、皆さんがたも参加するように招待します。スワン島は、アフガニスタンでオーストラリアの最も活発な戦闘任務を担っているオーストラリア兵のエリート、陸軍特殊空挺部隊（SAS）を訓練しているところです。私たちは午後２時に、クイーンズクリフのブリッジ通りの向かいにある公園に集合し、そのあと島の入り口に向けて皆で行進します。そこで、アフガニスタンの人々に対して続けられている戦争政策を拒否して立ち入り禁止地区に一歩を踏み出す（従って逮捕される危険がある）か、入り口前での逮捕の恐れがない平和的なデモに参加するか選ぶ機会を与えられるでしょう。

 

６月５日（土）午後１時から４時まで、メルボルンのリトルバーク通り１１６のデンで、逮捕の可能性がある、または可能性がない行動のどちらかに参加したい方々のために、状況説明・情報提供・非暴力行動の講座を開く予定です。もしあなたがこの講座に参加しようとするなら、もしくは参加したいがその日がだめなら、どうかお知らせください。

 

これは、アフガニスタン戦争について、あなたが声を上げる一つの機会です。もしあなたが、(a)実際に参加する意志を示し、(b)できるだけ早く何らかの準備説明を望むかどうかを示してくだされば、後方支援の計画も立てやすく、連絡支援網の設立にも役立つでしょう（連絡はxxxxxx＠xxxxx.com に）。それにもちろん、関心を持ちそうに思える他の誰にでもこれを転送してくださって結構です。

 

この世をより慈愛あふれる世界に変えようとする皆さんすべてと、サイモン・モイル、ジャコブ・ボルトン、ジェシカ・モリソン、サイモン・リーブスをはじめとするボンフェッファー平和集団の全員に感謝をこめて。

 

出向いてきて私の本を入手してくださった皆さんに感謝します。どうぞお気兼ねなくウェブサイトにコメントをお書きください。

www.ordinarycourage.org

 

近いうちに、どこかでお目にかかれますように。

 

皆さんの巡礼者

ドナより

 

追伸：この前の「巡礼者」リストの報告で、ニュージーランドのワイホパイ軍事基地に侵入し、戦争を支える機能を中断させるために打撃を加えたキリスト教平和主義者３人の裁判のニュースをお伝えしました。もしまだお聞き及びでなければ、この活動家たちは同じ地域社会の陪審員団から「無罪」評決を受けました。すごい結果です。参照 http://ploughshares.org.nz/

 

追追伸：「絶え間もない喧噪や、一日二十四時間浴びせかけられる言動から心を切り離したときに起こりうることは、驚くべきものです。沈黙のなかで、私たちの本来の姿を再発見する機会が訪れます。他の人に対して愛と思いやりを示せる本来の性質をもった、人間としての姿を」――『普通の勇気』６１ページ

 

原文：Pilgrim update and news

URL:　http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/246

 

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