TUP BULLETIN

「マラライ・ジョヤとアフガニスタンの今」について書かれた速報

2001年9月11日の出来事を受け、10年前の10月8日、米軍とNATO軍はアフガニスタン空爆を開始します。以後、今日まで続く「対テロ戦争」の始まりでした。こうして、ソ連の撤退以後、世界の忘却の中に打ち棄てられてきたアフガニスタンは9・11という出来事によって世界の耳目の中心となりました。けれども、2003年にイラク戦争が起こると、世界の関心はイラクに移り、アフガニスタンは再び忘れ去られていきました。 2014年末までに外国軍が完全撤退することが発表されてはいるものの、10年たっても外国軍の駐留は続き、アフガニスタン国内は「平和・安定」とはほど遠い状況です。「対テロ戦争」の開始から10年、アフガニスタンは今、どうなっているのでしょうか。

アフガニスタン空爆さなかの2001年11月、ローラ・ブッシュ大統領夫人(当時)は、全米向けラジオ演説で、空爆はターリバーンに抑圧されるアフガン女性解放のためと語り、アフガニスタンの女性の人権を理由に攻撃を正当化しました。しかし、10年後の現在、アフガ ニスタンでは女性の焼身自殺があとを絶ちません。多くの女性たちにとって、自ら命を絶つことが、絶望的な現実から救われる唯一の道だからです。

今月、アフガニスタンの女性人権活動家、元国会議員のマラライ・ジョヤさんが「RAWAと連帯する会」の招聘で来日し、広島・沖縄・大阪・京都・東京・名古屋でアフガニスタンの現状について講演会をおこないます。 (詳細はこちらをご覧ください。http://rawajp.org/?p=244)

ジョヤさんは、2005年の議会選挙で、最年少で国会議員に選出されました。しかし、国会の内外で、内戦で国を破壊し、国民を虐殺した軍閥政治家を戦争犯罪者として糾弾し、その処罰を求め続けたために議員資格を停止されてしまいました。現在、国内で、暗殺の危険にさらされながら、ターリバーン、軍閥、外国軍の占領という三重の敵と闘いつつ、女性のための人権活動に挺身しています。

日本もまたアフガニスタンの惨状と決して無縁ではありません。アフガニスタンに自衛隊が上陸こそしていないものの、インド洋に自衛隊を派遣し、米軍に燃料補給し、アメリカの「対テロ戦争」を支えてきました。また民主党政権は2009年、ジョヤさんがその腐敗を告発してやまないカルザイ政権に対して「2010年から5年間にわたり50億ドルの民生支援」をすることを発表しました。

マラライ・ジョヤさんが来日されるこの貴重な機会に、TUPは、これまでのジョヤさんの主張ならびにアフガニスタンに関する記事を速報として発信し、忘却にふされていたアフガニスタンの<今>をお伝えするとともに、私たちの責任について考えたいと思います。

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