TUP BULLETIN

速報961号:『鎖を断ち切れ』

投稿日 2013年2月6日

2月14日は女性への暴力阻止を呼びかける世界規模のフラッシュモブに参加しよう!


2月14日はバレンタインデーとして世界中のカップルが愛を誓い合う日だ。しかし、その愛は本物だろうか?世界各地で毎日、10億人にも上る女・少女が強姦、家庭内暴力、近親姦、児童買春などで苦しんでいる。コンゴで今も続く凶暴な集団強姦や昨年末に世界的に注目されたインドでの強姦事件などの他にも、 ごく身の回りで毎日ニュースに取り上げられない女性への搾取と暴力の悲劇が続いている。

今年15周年を迎えるV-DAY[1]イベントは、1996年の初演以来、48ヶ国語に訳され世界140カ国で上演された『ヴァギナ・モノローグス』[2]の著者、劇作家イブ・エンスラーが女性への暴力を阻止するために立ち上げた世界的なキャンペーン・プロジェクトだ。

来る2月14日、世界各地で「10億人の女の蜂起」というイベントが企画されており、「鎖を断ち切れ」というテーマソングで踊るフラッシュモブが計画されている。そのテーマソングの詞を訳してみた。日本でもこのイベントは行われるのだろうか。
[1]「V-DAY」の「V」は、Valentine のV、Vagina のV、そして Victory のVなどを示唆する。

[2] 子どもからお年寄りまで200人以上の多様な立場の女性に対するインタビューを元に書かれた同名の一人芝居は、後に様々なバリエーションで世界中に広がっ ていった。自分の体の一部でありながら、その名を呼ぶことが憚られてきた女性器、ヴァギナについて語る女たちが、自らの体験を声に出していく過程で、それ まで目に見えず、忘れ去られてきた秘密や恥や恐れに気づき、自分の存在の核を確認していく。

詳しい情報は、こちらをご覧ください。
http://onebillionrising.org/blog/we-have-an-anthem
フラッシュモブのダンス振り付けサイト:
http://www.youtube.com/watch?v=Fwv16dtUvYM&NR=1&feature=endscreen

前書き・翻訳:宮前ゆかり/TUP


鎖を断ち切れ

作詞: ティーナ・クラーク [Tena Clark]
作曲: ティーナ・クラーク/ティム・ハインツ [Tena Clark/Tim Heintz]

両手を空に掲げ

膝まづき、わたしは祈る
もう怖くない
あの扉を抜けて歩いていこう
歩こう、踊ろう、立ち上がろう
歩こう、踊ろう、立ち上がろう

わたしに見える世界
誰もがどんな弾圧も受けることなく自由に生きる世界
強姦や近親姦や虐待のない世界
女は所有物じゃない

あなたに所有されたことなど一度もないわ、理解さえしていないじゃない、わたしは透明人間じゃない、わたしはとても素適なの、初めて心がドキドキしているわ、生き生きしてる、なんて素晴らしいのかしら

踊る、愛しているから
踊る、夢見ているから
踊る、もううんざりだから
叫び声を止めるために踊る
掟を破るために踊る
痛みを止めるために踊る
ひっくり返すために踊る
鎖を断ち切るときがきたわ、そうよ
鎖を断ち切れ
踊ろう、立ち上がろう
踊ろう、立ち上がろう

この狂気のど真ん中で、私たちは立ち上がる、もっと良い世界があることを知っているから、仲間たちと手をつなごう、すべての女、女の子に手を差し出そう

これは私の体、わたしの体は聖なるもの
言い訳は止めろ、虐待を止めろ
私たちは母、私たちは教師
私たちは美しい、美しい生き物

踊る、愛しているから
踊る、夢見ているから
踊る、もううんざりだから
叫び声を止めるために踊る
掟を破るために踊る
痛みを止めるために踊る
ひっくり返すために踊る
鎖を断ち切るときがきたわ、そうよ
鎖を断ち切れ
踊ろう、立ち上がろう
踊ろう、立ち上がろう

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踊ろう、立ち上がろう
踊ろう、立ち上がろう

女たちよ、手を貸して、 女たちよ、立ち上がろうよ x4

踊ろう、立ち上がろう
踊ろう、立ち上がろう

女たちよ、手を貸して、女たちよ、立ち上がろうよ x4

10億の女たちが立ち上がる


註 (2013-02-12)

incestに当初宛てた訳語「近親相姦」について、複数の方から、「近親姦」の方がこの文脈ではふさわしいのでは、という指摘がありました。それを受けて、同訳語を変更しました。