TUP BULLETIN

速報200号 反戦活動家、この地に再び 03年10月27日

投稿日 2003年10月27日

FROM: Schu Sugawara
DATE: 2003年10月27日(月) 午後2時00分

ワシントンポスト紙が、国際ANSWER連合と平和と正義のための連合
(United for Peace and Justice)の呼び掛けで
10月25日にワシントンで行なわれる、イラク占領停止と米軍兵士の即時引き
揚げを求める全国行進を、第1面の署名記事で取り上げ紹介しています。

今までのアメリカでの集会は具体的な戦略なしに市民団体が声を上げているだ
けでしたが、そろそろブッシュ政権とそれを支える戦争大好きグループを引きず
りおろすための具体的な行動が生まれてくるかと思います。その意味で、ワシン
トンポストもこれからの動きをウォッチし始めたのだと思います。

10月25日行動はサンフランシスコでも行われるばかりでなく、上記両連合
の呼掛けに応じて、全世界で同日に呼応した行動が計画されています。近くは韓
国で、また日本でも東京、名古屋その他で。

国際ANSWER連合としては記事にしてくれたことは大歓迎で、ホームペー
ジ( http://www.InternationalANSWER.org )にその全文と共に抄録を載せてい
ます。以下、その抄録を翻訳紹介します。

寺尾光身/TUPメンバー

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反戦活動家、この地に再び

マンニー・フェルナンデス
ワシントンポスト紙スタッフライター
2003年10月19日日曜日;C01ページ

抗議する大勢の人々が38州の135以上の都市から、来週土曜日ワシントンに
集合することになる。バグダッドが4月に陥落して以来初めて、反戦デモに参加
するために大勢がバスに乗って首都に帰ってくる。

主催者によると、集会と行進は全米とカナダから数万人を引き寄せると言う。国
際ANSWERと、平和と正義のための連合の2大反戦連合体が共催するこの種
の行事としては初めてのものだ。両団体とも今年アメリカにおける最も大規模な
平和行進の幾つかを組織してきた。この示威行動は、サンフランシスコ中心街で
行なわれる集会と行進に呼応するものである。

ANSWER事務局のブライアン・ベッカーは、「反戦運動は再び拡大の方向に
向かいつつあります。再度立ち上がりつつあるのです。」と述べ、さらに、「私
たちが主催した4月12日の反占領のデモは3万人を集めました。今回のデモは
それを大幅に上回る人びとを結集するつもりです。」と語った。

この集会とデモはこの種の反戦運動の再来と言ってよい。活動家たちは直接行動
よりも事実を知らせる行動に重点を置いたため、ここ数ヶ月大規模な抗議行動を
控えてきたからだ。ANSWERによる4月の抗議行動以来、ワシントンでは大
きな反戦集会は催されなかった。

ANSWERは5月にニューヨークで850人以上が参加する全国会議を開催
し、また、平和と正義のための統一は参加者550人以上の戦略会合をシカゴ郊
外で主催した。この二つの集会は、運動としての将来展望をどう描くかに集中す
ることに目的が置かれていたが、この間の比較的動きの少ない期間があったこと
で、一部の活動家に、運動を継続するための新しい力を獲得させることにもなった。

統一連合(the United Coalition)の全国コーディネー
ターであるレスリー・ケイガン(56)は、「人びとは心底から戦争を止めよう
として行進しデモに参加しました。ですが、私たちは失敗に終りました。」と言
い、「そのことが、活動家仲間のある部分に対して少々やる気を失わせる効果を
あげてしまった、と思います。」と語った。

しかし、米軍の死傷者の数が増え、世論調査でブッシュのイラク政策支持が低下
するにつれ、反戦活動家たちの多くが、今がまさに街頭に戻る時だ、と言ってい
る。「あの大量破壊兵器はどこにあるの?」とケイガンは問い、「ウソッパチで
あることがはっきりしてしまったのです。私たちが正しいのだと1年前に私たち
は強く感じていましたが、今その確信はもっと強くなっています。」と言った。

退役軍人やイラクに派遣されている米兵の家族の参加もあるだろう、と活動家た
ちは言っている。昨年10月、朝鮮戦争に参戦した71才の退役軍人ウィルソン
(“ウディー”)・パウエルは自分の傷だらけの97年製ダッジ・ハウストレー
ラーに3人の退役軍人-それぞれ第1次ペルシャ湾岸戦争、第二次世界大戦、朝
鮮戦争参戦者-を乗せて14時間かけてセントルイスからワシントンまでやって
きた。その4人は平和集会に向かったのだが、それはイラクでの戦争は正義に反
するとの彼らの確信に突き動かされての事であり、数十人の退役軍人と共に戦争
が始まる前に戦争をするなと大きな声を上げることができることを望んでの事
だった。

それから1年たって、戦争は現実に行われてしまい、そして戦闘は終ったと宣言
されてしまったが、パウエルはあきらめていなかった。パウエルと500人を越
える平和を求める退役軍人の会の会員が、アメリカのイラク占領の停止を、との
声をあげるために、次の週末にワシントンに向かうとのことだ。「ただほかの誰
よりも大きくなって、ほかの誰よりも不道徳になって、これが地球上で共生する
やり方なのだろうか? そうではなく、隣人と仲良くする方がずっと居心地が良
いのではないのかね?」とパウエルは問うていた。パウエルはセントルイスのグ
ループの事務局長である。

声を上げる軍人家族の会(Military Families Speak
Out)のナンシー・レッシンは、イラク駐留中と最近帰還した米兵の配偶者や
親兄弟が参加する計画だと話した。レッシンの予想では参加するのは40家族を
うわまわる。「今の政権が誤用しているようなやり方で私たちの愛するものが間
違って使われることなど、私たち誰も望んでいません、石油市場と帝国を作るた
めの戦争なんかに。」11月に兵士の2家族から始めたグループの創設者の1人
レッシンはこのように語った。このグループのメンパーは1000家族以上に広
がっている。レッシンの息子は海兵隊員で、イラクから返ってきたばかりだ。

ANSWERのウェッブサイトにあるバスや乗用車を仕立てている都市のリスト
は、アメリカ合州国のかなりの部分の地図のように見える。デラウェア州のワシ
ントン;ペンシルベニア州のハリスバーグ;ジョージア州のサバンナ;ノースカ
ロライナ州のアッシュビル;ミシガン州のカラマズー;アイオワ州のシーダー
フォールズ;そしてウィスコンシン州のミルウォーキー。

20万人の医療サービス従業員を代表するニューヨークの組合、1199
SEIU(Service Employees International
Union、サービス従業員国際組合)は、組合員とその家族にワシントンへ
の無料バスを出すことにしている。ANSWERはニューヨーク地域だけで65
台のバスを予約している。

「みんな、占領の停止を求めていると私は思います。」と、あるレストランの店
長で、ANSWERロードアイランド州プロビデンス支部に所属するマイク・
ショー(35)は言い、また「この戦争は偽りの口実を設けて遂行された、とみ
んな思っていますよ」とも。

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抄録所収URL:
http://www.internationalanswer.org/news/update/102003washposto25.html
署名記事全文と写真所収URL:
http://internationalanswer.org/news/update/101903washpost.html

全文をワシントンポスト紙のアーカイブのページ
http://www.washingtonpost.com/wp-adv/archives/?nav=hpleft1
で題名等で検索して読む事もできますが、2週間以上経つと有料になります。

翻訳:寺尾光身/TUPメンバー