TUP BULLETIN

速報222号 帝国現地レポート(26) 03年11月24日

投稿日 2003年11月24日

DATE: 2003年11月24日(月) 午後11時32分

パンタ笛吹の帝国現地レポート(26)

ソ連侵攻前の1975年前後に、何度かアフガニスタンを訪れました。 カブール、バーミアン、カンダハールなどは、ぼくらヒッピー旅行者のお気 に入りでした。  アフガン刺繍の美しさに魅せられたぼくは、刺繍の宝庫・ガズニ村にも足 を運びました。  先日のニュースで、国連のフランス人女性職員が、ガズニ村のバザールで 殺されたと聞き、残念でした。

日本がイラクに自衛隊を派遣するというので、アフガンでも対日感情が悪 くなるばかりだそうです。現地で医療活動を続ける「ペシャワール会」も、 現地事務所の日の丸を下ろしたり、車両に記してあった「JAPAN」の文 字を消したといいます。  イラクもアフガニスタンも、「どろ沼」はどんどんと深くなるようです。

(パンタ笛吹/TUP)


★世界の麻薬の75%は、メイドイン・アフガン

国際援助団体「マーシー・コープ」の係員ナンシーは、こう語った。 「わたしたちはアフガンで15年間活動してきました。でもこれほど治安が 悪くなったのは初めてです。タリバンの時代でも、わたしたちの救援活動は 許されていました。でもいまは、西洋人と見ると、見境なく襲撃されます」

去年までは、救援職員が一ヶ月に一回の割合で襲われていたが、いまでは ほぼ毎日、救援職員の誰かが襲われているという。  パクティア州やザブール州では、危険が増したため、ほとんどの小中学校 が閉鎖された。

タリバンは麻薬の原料であるケシ栽培を禁じていたため、2001年の収 穫は185トンだった。しかし、米軍がアフガンを占領してから、ケシ栽培 が19倍に増え、今年の収穫量は3600トンに増大した。  これは世界の麻薬供給量の75%であり、麻薬収入はアフガン国家収入の 2倍にまでなっている。

http://www.nytimes.com/auth/login?URI=http://www.nytimes.com/2003/11/15/opinion/15KRIS.html

★アメリカは、憲法を捨てて、軍政になる?

イラク戦争の総指揮をとったフランクス元大将は、雑誌のインタビューに こう答えた。 「もしテロリストが米国内で大量破壊兵器を使ったなら、200年間も続い た民主主義という実験は終わりを告げるだろう。いままで米国民が大切にし てきた『自由』を失うのだ。  大規模な被害を受けたあとは、さらなるテロ攻撃を防ぐために、米国民は 憲法の有効性に疑問を持ち、軍による統治を受け入れるだろう。  実際それは、憲法の仕組みそのものを破棄することにつながるだろう。 これは、とても大切なステップだ」

http://www.rense.com/general44/atttk.htm

★元バース党教員2万8000人を敵にまわした

イラク暫定占領当局のブレマー行政官は先週、元バース党員だった教師た ちに政治的な罰を与えるために、教員2万8000人を解雇した。

CIAのジョンソン前係官はこの処置について、こう語った。 「これは本当にバカげたことだ。ネオコンはバース党員とナチスとを同一視 しようとして、こんな失策をするんだ。  国を再建し統治できる有能なイラク人となんとかつきあうか、それとも無 能な連中にイラクを丸投げするか、その二つにひとつしかないのに、占領当 局は後者を選んでしまった」

CIAのフラー前係官もまた、「これは信じられないくらいの失策だ。 第二次大戦後のドイツでも元ナチス党員の解体をおこなったが、ドイツ人の 国民感情を敵にまわさないように、外科手術をおこなうくらいに正確に実施 した。  イラクの場合は、いきあたりばったりに解雇して、あとでどんな目に遭う かまでまじめに考えてはいない」と非難した。

http://www.menafn.com/qn_news_story.asp?StoryId=Cp72B0eidAxjHCs1ICMvTzxi

★戦争さえ始めなかったなら・・・

イラク戦争のヒロイン、ジェシカ元上等兵は新刊「わたしも兵士」の中で こう告白している。 「わたしたちはイラクまで行って、自分の仕事をしました。それは、戦争で 戦うということでした。  でもいまでは、戦争に行かなければよかったと後悔しています。イラク戦 争を始めなければよかったのにと思います。わたしたち米兵が、ひとりも イラクに行かなかったら、どんなによかっただろうと思っているんです。

政治的な理由なんて、わたしにとってはどうでもいいことです。でも、戦 争を始めなかったなら、第一の親友のローリーも殺されずにすんだのです。 戦死した他のすべての戦友たちも、いまでもまだ生きていたはずなんです。  戦争さえ起こらなかったら、みんな平和に暮らしていけたんです」

http://www.commondreams.org/views03/1118-06.htm

★バグダッドのスパイ大作戦

米駐留軍のハイテク諜報機器は、イラク人からの情報を集めるためには、 たいして役に立ってはいない。アラブ語を話せる米兵の数は少ないし、戦闘 用の重装備で街に出ても、地元の住民が怖がって近寄ってこないからだ。  それに反して、反抗勢力の諜報網は、有効に機能している。彼らの仲間は 暫定占領当局内でもコックや掃除夫として働いており、安全とされているグ リーンゾーンの中の動きも詳しく把握している。

ウォルフォウィッツ国防副長官が泊まったアル・ラシードホテルの機密情 報も、事前に外に漏れていた。元イラク諜報員は、「ゲリラは、ウォルフォ ウィッツ国防副長官を殺害するために、ホテルの6階と12階を狙ってロケ ット弾を撃ち込んだんだ」と語った。

http://www.usatoday.com/usatonline/20031105/5651116s.htm

★またまた、ラムちゃん迷問答

ラムズフェルド国防長官は、記者会見でこう答えた。 「ウォルフォウィッツ国防副長官がバグダッドのホテルで攻撃にあったとき がたがたと震えていたそうですが、それはイラクが国防長官がおっしゃるほ ど平和ではないという証拠ではないのですか?」

「いや、そんなはずはない。実際のところ、世界中にあるどの大都市でも、 さまざまなかたちでの攻撃が起こっているんだからね。それはバグダッドだ けで起きているんじゃあないんだ」

http://www.villagevoice.com/issues/0347/mondo6.php

★イラクでの傷病兵の数が、9000人を越した

米国防総省の最新の統計によると、イラク戦争で病気や死傷した米軍犠牲 者の数が、すでに9000人を越していることが判明した。  湾岸戦争情報センターのロビンソン部長は、こう語った。 「犠牲者の劇的な増加に、われわれはショックを受けています。特に、この 戦争で神経や精神をやられて送還されてくる米兵の急増が、心配の種です。  わたしたちは、第一次湾岸戦争のあやまちを繰り返さないために、戦場で 苦しんでいる病んだ兵士たちの病状を、はっきりと知らせてくれるように国 防総省に要求しています。  傷病兵たちの症状を詳しく分析すれば、イラクでどんなひどい病気が流行 しているか、科学者たちが結論づけることができるからです」

http://www.upi.com/view.cfm?StoryID=20031113-074311-4128r

★リラックスして、勝利を楽しむがいい

米国務省のホームページに、国防政策委員リチャード・パールのこんな論 評が掲載されている。 (USAトゥデー紙 5月2日発表)

「ブッシュ大統領は、最初から最後まで連合軍を率いて、イラク戦争を第 二次世界大戦以来、最も重要な勝利にみちびいた。  これは、戦う価値の高い戦争だった。戦いはあっというまに終わり、民間 人の犠牲者は少なくてすみ、諸都市のインフラへの被害も最小限におさえる ことができた。  イラクに残留する米兵たちは、安全が回復ししだい、英雄として母国に迎 えられるだろう。イラクは自由になり、アメリカはより安全になったのだ。 だから米国民は、リラックスして、この勝利を楽しむがいい」

http://usinfo.state.gov/regional/nea/iraq/press/0502perle.htm

★(闇のプリンス)パールが、「イラク戦争は国際法違反」と認める

ブッシュ政権はいままで、イラク戦争は国連憲章にかなっているので合法 で、それは正当防衛のための戦争だったと主張してきた。  ところが、国防政策委員リチャード・パールが、ロンドンでの講演会でこ う発言し、聴衆を驚かせた。

「イラク戦争についていえば、それは国際法にかなってはいないと、わたし は考えている。しかし、われわれが正しい政策を実行しようとするとき、と きどき国際法がじゃまになることがあるのだ」

http://www.villagevoice.com/issues/0348/mondo6.php

★大ハンマーでクルミをわる

イラクに駐留する米軍は、爆撃機からミサイルまで動員してイラク人の家 や倉庫を破壊し、それを「鉄つい作戦」と呼んでいる。  また米将校は、イラク反抗勢力の掃討作戦を評して、「大ハンマーを使っ てクルミを割るように、敵をぶっつぶす」と息巻いた。

旧ソ連がアフガニスタンに侵攻していた1980年代、アフガン人のレジ スタンス運動を援助していた元米政府職員バーデンは、こう主張する。 「ソ連兵の手によって、ムジャヘディーン(聖戦士)一人が殺されるたびに 殺された戦士の家族や親類の6人くらいが武器を取って立ち上がっていた。 悲しいことに、イラクでも同じことが言える。レジスタンスを殺せば殺すほ ど、抵抗勢力が増えるのだ」

http://www.antiwar.com/ips/lobe111303a.html

★アメリカは石油ドロボー

道路わきの爆弾が米軍車両を吹き飛ばし、米兵二人が負傷した直後、イラ ク人少年たちは家を飛び出して現場に集まった。  少年たちは、米兵二人が死んだのではなく、負傷しただけなのが腹立たし げだった。

「でも、これはすばらしい。もしレジスタンスに入らないかと誘われたら、 ぼくは喜んで参加するよ。アメリカはイラクの石油を盗みに来たんだから、 彼らは死ねばいいんだ」と15歳のアリ少年は言った。

「米兵は、イラク人たちがどんどん殺されるのを笑いながら見ているんだ。 この前の夜、ぼくが家の前庭でただ突っ立っていただけなのに、米兵はぼく に手錠をかけたんだ。夜間外出禁止違反だっていうけど、彼らはぼくらに恥 をかかせたいだけなんだ」と18歳のオマーン少年。

「ぼくはイラクの聖戦士の戦いに加わりたいよ。異教徒の米兵を殺したいん だ」と10歳のアーメド少年は言った。

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/nm/20031112/wl_nm/iraq_guerrillas_dc_4

★米兵がハンガリー人学生を銃殺

バグダッドで援助活動をしていたハンガリー人学生ピーター・ヴァルガが 米兵の銃撃によって殺された。  ピーターの乗った車は、道路に張りめぐらした米軍の検問所に近づいたと き、十分に速度を落とさなかったので、米兵は空に向かって威嚇射撃したあ と、車に向かって発砲した。

ピーターはイラク駐留のハンガリア兵300人とは無関係で、ボランティ アとして、イラクでの人道援助に従事していた。  イラクでは先週、ピーターと同じハンガリー人の民間人社員が原因不明の 交通事故で死んだばかりだった。

http://www.ptd.net/webnews/wed/do/Qiraq-hungary.RZiH_DNL.html

★ブッシュ大統領に関する「事実」

*2001年5月、ブッシュ政権はタリバンに4千300万ドルの資金援助  をした。 *ブッシュはイラク戦争で死んだ400人以上の米兵士の葬儀に、まだ一度  も参列したことがない。 *今年の8月、ブッシュは28日間の休暇をとった。これは米大統領史上、  2番目に長いバケーションだ。 *ブッシュ政権の16人の閣僚は、歴史上最も裕福な政治家たちだ。閣僚の  平均財産は、一人1千万ドル(約11億円)を越している。 *ブッシュはテキサス州知事時代に、152人にのぼる死刑囚の死刑執行を  認可した。 *2000年の大統領選挙で、ブッシュに10万ドル以上寄付した人たちの  うち、61人が政府の要職についた。 *ブッシュ政権にアドバイスする国防政策委員のうち、9人が兵器会社の役  員も兼任している。 *ブッシュは、250個以上のサイン入り野球ボールを持っている。 *2002年、モスクワで歴史的な米ソ条約に署名をするとき、ブッシュは  プーチンの目の前で、噛んでいたガムを手にはきだしてからサインをし、  ロシアのメディアを怒らせた。 *ブッシュには3度の逮捕歴がある。  (1)飲酒運転で逮捕された。  (2)ホテルからクリスマスの花輪を盗んで逮捕された。  (3)プリンストン大学とのフットボール試合のあと、自分の通うエール 大学が負けた腹いせに、ゴールポストを壊して逮捕された。

(翻訳・パンタ笛吹/TUPチーム)

http://news.independent.co.uk/world/americas/story.jsp?story=463147