TUP BULLETIN

速報284号 TUP-平和をめざす翻訳家連合 声明 04年4月10日

投稿日 2004年4月10日

FROM: minami hisashi
DATE: 2004年4月11日(日) 午前0時45分

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皆様もすでにご存知の通り、イラクで日本人3人が“サラヤ・ムジャヒディン (Saraya al-Mujahadin)”と名乗る武装勢力に拘束されました。

イラクのストリートチルドレンのために尽力していた高遠菜穂子さん、フリーラ ンス ・カメラマンで、ダグ・ロッキーを取材に行ったこともある郡山総一郎さん、そ して 先月高校を卒業したばかりの若手ジャーナリストで、“NO小型核兵器DUサッ ポロ プロジェクト”の代表でもある今井紀明さん。

今井さんはTUPの翻訳メンバーでもあります。人々の目が向かない地域にも心を 馳 せ、『高校生、アフリカを見る』というタイトルで、アフリカの最新ニュースの ダイ ジェストをまとめ、翻訳し、発信している心強い仲間です。米・英の落とした劣 化ウ ラン(DU)がイラクの人々に及ぼす被害についても深く危惧し、今回の旅も、そ の悲 惨な実態を広く知らせる絵本を書くための取材だったといいます。未来ある青年 で す。

“サラヤ・ムジャヒディン”は、「友人だと思っていたのに、なぜわれわれを裏 切っ てわれらの土地を、聖地を踏みにじり、われらの子供たちを殺した米軍に味方し たの か?」と問う犯行声明で、「3日以内に自衛隊を撤退させなければ、この3人を 焼き 殺す」と言明しました。

これに対する福田官房長官の答は「自衛隊は復興支援に行っているのであり、撤 退す る理由はない」でした。が、自衛隊が日本国民の命を守るための存在であるなら ば、 よど号事件に際し「人の命は地球より重い」と述べた父赳夫氏(当時の首相)を 見 習って、まず3人の生存を最優先すべきと考えます。人命の重さは、たとえ時代 が変 わっても不変なのです。

しかもこのイラク侵略戦争は、国連決議も経ずして不当、不法に展開されたもの であ り、それに手を貸した小泉政権の自衛隊派兵は、あきらかな日本国憲法違反です 。

そして今回、万が一のことがあれば(そのようなことがないことを私たちは心か ら 願って行動しています)、「テロに立ち向かうために」を口実にして、現政権は 一挙 に九条改悪などに邁進することでしょう。今井さんたちの救出と同時に、その暴 挙を なんとしてでも阻止しなければなりません。数千、数万のイラクの民を殺し、傷 つ け、この先も何世代にもわたって苦しめ続ける劣化ウラン兵器を告発し続けて来 た TUPは殊更に、「暴力は暴力の連鎖しか生まない」ことを訴えたいと思います。

マドリッドの自爆事件をきっかけに米追随政権を追い出し、イラクからも撤退を 決め たスペインの様に、今こそ「撤退」という勇気ある行動を喚起しようではありま せん か。

「3日」という期限の内、貴重な2日目がもう過ぎようとしています。 時間がありません。

まずは今井さんたち3人の人命救助に、 それから真に平和な世界をつくるために、 どうか皆様の力をお貸し下さい。

TUP – Translators United for Peace 平和をめざす翻訳家連合 有志 TUP-ML-owner@e…

※この声明を出すにあたっては、「TUPの本来の活動とは違うから参加しない」 とい うメンバーがいたため、「一同」ではなく「有志」としています。