TUP BULLETIN

速報445号 巡礼者ドナより 私のMLについて 050117

投稿日 2005年1月17日

DATE: 2005年1月17日(月) 午後10時39分

イラクであれ、パレスチナであれ。冒険の旅、巡礼の旅。マルハーンは続けます。


2004年4月、米軍包囲下のファルージャに、人道救援活動のために入り、その帰 路、地元のレジスタンスによる拘束を経験したオーストラリア人女性ドナ・マルハー ンが、11月24日に再びバグダッド入りし、そこから送っている現地報告をお送りして きました。今回のイラク滞在を終え、無事イラクを脱出したドナは、現在パレスチナ に滞在しています。今までTUP速報お送りしてきたドナの報告は、すべて彼女のメー リングリスト「ザピリグリム」(巡礼者)に配信されたものです。このメーリングリ ストの成り立ちとは、そしてなぜイラクに関わるようになったのか、今後の巡礼の旅 はどのようなものになるのか、彼女自身が伝えます。 (翻訳:福永克紀/TUP)


ドナ・マルハーン 「巡礼者」メーリングリストとは? 2005年1月7日

お友達の皆さんへ

2002年の7月に私がシドニーを飛び出し、さまざまな宗教の神秘的教えを探求するた めに世界中へと巡礼の旅に出かけたころ、私の経験話を定期的に個人的な友人たちに イーメールで送っていました。

仏教徒や北米先住民族(アメリカインディアン)の霊性について私が考えたことばか りではなく、アラスカ氷河の驚異や、カナダの原野で熊に遭遇したことも、それにそ う、驚きの神秘的チベットでの冒険についてもいっぱい書いてきました。女子修道院 での生活の話は覚えています? エベレストのベースキャンプへの苦難の旅は? そ れに、凍てつく山で、荒れ狂う川の急流をジープで渡ろうとして立ち往生し危うく転 覆しそうになって、私が履いていたゴアテックス社のワンダーブーツのおかげで命拾 いした話は? そして私の携帯電話中毒の禁断症状について報告したり、いろいろな 町で恐ろしいほどたくさん見かけたアメリカン・ファーストフードのチェーン店の数 もお知らせしてきました。

2003年の1月に、次の巡礼の旅を準備しているとき、イラクに向き直れという呼び声 が、私には聞こえたのです。人間の盾の運動に参加してイラク侵略反対の国際的戦列 に加われという声が。それは、ある意味で私の巡礼の旅からの転換でしたが、またあ る意味ではそうではなかったのです。「主よ、私をあなたの平和の道具となさしめた まえ」という、アッシジの聖フランチェスコの祈りに触発されたのです。そして、私 のイラクへの関わりと取り組みが始まったのです。

その頃までには、私の巡礼の旅の話を受け取る友人の数は飛躍的に増えていました。 そこで、同じメッセージを同時に多くの人に送りやすくできるようにと、友人がヤ フーグループに私のメーリングリストを作るのを手助けしてくれました。彼はそれを ザピリグリム(巡礼者)と名づけ、瞑想のカテゴリーに振り分けたのです――私の精 神性の核心は、キリスト教の瞑想の実践にあると考えて。こうして、このメーリング リストは、私の瞑想的な旅の感想を共有するものとして始まったのです。

このメーリングリストは、私が二度目にイラクへの旅をしている間に膨れ続け、先月 バグダッドにいた時には、その数は500人を超えました。いくつかの話は、いろい ろなウェブサイトに再掲載されたり、友人たちが自分のネットワークに転送したりし て、読者数は数千にもなっています。

つまり、このザピリグリムメーリングリストでの私の話を読む大半の人と、私はまだ あったこともないのです! この観点から、このメーリングリストがどのように始ま り、私自身ではいかなるものと思っているのかを説明するいい機会だと思ったので す。

結局のところ、これは私の個人的経験の記録でしかないのです。ニュース報道ではな く、話を伝えることなのです。状況の客観的評価を伝達しようとするものではなく、 私の意見でしかないのです。

私は今や聖地にいるのだから、巡礼者としての霊的側面にもう少し焦点をあわせ、こ の地の神秘的なスーフィ教とカバラの教えを探求しようと思います。

イスラエル/パレスチナの政治的混乱についても、お伝えしたいと思う話がたくさん あります。まだ未報告のイラクでの話や最新情報も、分かち合いたいと思っていま す。

皆さんの中には、私の霊的な感想に興味を持たれるかたもおられるでしょうが、それ はそのことに興味を持って参加されたかただからでしょう。また、政治的な話にもっ と興味を持って参加されたかたには、そちらの方が興味をそそるでしょう。どちらに も興味を覚えるかたもおられることでしょう。

このことは私にはよく分かっており、時として、ある話題は皆さんがたすべてに興味 ある話題ではないのではないかと、書くのをためらっている自分に気づく場合があり ます。

私はまた、聖地の状況について、大きく異なる見解があることも認識しています。私 の目標は、この争いのどちらの側をも理解することなのです。しかしまた、私が送る 経験談や話のすべてが、同時に両側の報告になりうるとは思ってはいません。

私はただ、各々の経験を書き送るだけなのですが、結果的にはすべての話がひとつに つながることを願っています。ですから、私が問題を探求するのを辛抱強く待ちなが ら注目していてください。

私がイスラエル/パレスチナに到着したとき、ここの状況を母親に説明したくて手紙 を書く衝動に駆られました。これからも続けて母への手紙を書きたいと思いますが、 それを当地での私の時の記録として皆さんがたと分かち合えたらと思います。

それらの手紙とともに、私が目にした出来事で特別な話も書くつもりですし、イラク のニュースや最新情報も送り続けるつもりです。

これらのどれかの中には、誰もが興味を持てるものがあればと願います。

さあ、それでは、もっと冒険の旅を続けましょう!

皆さんの巡礼者

ドナより

追伸:あなたにとって幸ある平和な愛あふれる新年でありますように、そして休暇を 終えて戻ったかたには、お帰りなさい! 私は今ヨルダン川西岸の中心部ナブルスに います。日曜日のパレスチナ議長選挙に向けて、みんなで待つばかりになっていま す。

追追伸:お知らせしたい話はたくさんありますが、次回はまず、「聖地よりの母への 手紙」をお送りします。今までのイラクの話は www.groups.yahoo.com/group/thepilgrim (英語)にあります。

追追追伸:キリスト教の瞑想についてもっと知りたいかたは、 www.wccm.org へ。

追追追追伸:ここパレスチナの私に電話連絡を取りたければ、[訳注:電話番号省 略]に。メディアにこの番号を知らせてもらってもかまいません。

追追追追追伸: 「ここからどっちの道を行ったらいいのか、どうか教えてくれませんか?」 「それは、もっぱら君がどこに行きたいかにかかっているんだ」と、猫が言った。 「別にどこでもかまわないんだけど……」と、アリスが言った。 「では、どちらにいってもあまり変わりはないんだ」と、猫が言った。 「……どこかに、行き着けさえすれば」と、アリスは説明を加えた。 「おお、間違いなくそうなるさ」と、猫が言った。「もし、充分長く歩きさえすれば ね」 ――「不思議の国のアリス」より ルイス・キャロル

(翻訳:TUP/福永克紀)

原文:The Pilgrim list – what is it? URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/144