TUP BULLETIN

速報497号 帝国現地レポート(28 ) 050516

投稿日 2005年5月16日

DATE: 2005年5月16日(月) 午前11時17分

パンタ笛吹の帝国現地レポート(28)

ロッキー山脈のふもとにある美しい町、ボルダーに住んでいると、平和な 毎日がとてもありがたく感じます。  それと同時に、自分が米政府に払う税金で、米軍がイラクを侵略し、いま でも多くの人たちが占領の犠牲になっているのを見聞きすると、心が痛み、 憤りを感じます。  今回のレポートは、イラクの最新情報を中心にお送りします。

(パンタ笛吹/TUP)



★ ボルダーの地元新聞では、こんなやりとりが・・・

「イラク戦争が間違いなら、いまのイラク占領も間違いだ。だから、米軍 は早く撤退した方がいい」という考え方は、反戦活動家の夢想だ。  侵略が間違っていたのは認めるが、最近のイラクは、選挙が成功し、新政 府もできて、民主主義が根付こうとしている大事な時期である。

アメリカは治安が安定するのを助けなくてはならないし、イラクの再建に 寄与する責任を負っている。 いま米軍を引き上げるのは、イラク国民を混 乱の中に見捨てることにもなり、あまりにも無責任だ。

デイリーカメラ紙 社説 5月9日

社説によると、貴紙は、「イラクの武装勢力がそのうち抵抗をやめて、イ ラクに比較的おだやかな平和がやってくる」と信じているように見受けられ る。 しかし、そのような確証のない希望的観測が実際に現実化するかどう か試されている間にも、多くの米兵やイラク人市民が殺され続けるのだ。

テリー・リンデンバーグ  デイリーカメラ紙 読者の声 5月11日 http://dailycamera.com/

★血塗られた4月・・・

イラクでは、自爆テロの激しさが増し、自動車爆弾による犠牲者の数が、 うなぎ登りに増えている。その悲惨な現状が、治安当局がまとめた統計によ り明らかになった。  4月の30日間だけで、135台もの自動車爆弾が爆発し、そのうちなん と67台が自爆テロだったのだ。

また、ジャファリ首相率いる新政府が発表された4月28日以降、武装抵 抗勢力の攻撃により、すでに400人近くが殺され、約1000人が負傷し ている。

米軍報道官は、武装勢力による米軍への攻撃回数について、「2月、3月 は、一日平均30回から40回だったのが、4月は毎日、70回以上もの攻 撃を受けている」と語った。

昨日(5月11日)だけでも、自爆テロによる自動車爆弾が5箇所で爆発 した。中でも、ヘウィージャでは30人が殺され、35人が負傷、ティクリ ートでは、少なくとも33人が殺され、80人が負傷した。

一方、米国上院議会では、イラクやアフガニスタンでの米軍駐留にかかる 経費760億ドルを承認した。 また同議会では、米兵戦死者の残された家 族に対する慰安金の金額を、今までの129万円(1ドルを百円と計算)か ら、1000万円に引き上げる案を可決した。

イギリス ガーディアン紙  5月12日 http://www.guardian.co.uk/international/story/0,3604,1481885,00.html

★私たちは騙されたのよ

「またどうしてアメリカはイラクの混乱に巻き込まれてしまったの?」  その理由が、今回、イギリスで暴露された機密文書で分かったわ。 私たちのリーダーは、戦争が始まるずうっと以前に、2002年の7月の 時点で、すでにイラクに武力侵略するって決めていたことがはっきりした の。

その秘密のメモには。こう記されていたのよ。 「ブッシュ大統領はイラクに攻め入り、サダムを取り除きたがっている。 その侵略を正当化するために、大量破壊兵器やテロとの関連を利用する。 また、イラク侵攻政策に都合のいいように、諜報や事実のつじつまを合わせ る・・・」

2002年の7月なんて、どれだけ私たちがイラクについて知らされてい たと思うのよ? もし3年前に、リーダーたちのこんな悪巧みがばれていた ら、すべての状況が変わっていたことでしょう。

モーリー・アーヴィン オルター・ネット 5月10日 http://www.alternet.org/columnists/story/21976/

★これはもう、内戦か?

元国防相の中東諜報員だったパット・ラングは、最近のイラク情勢につい てこう解説する。 「いまのイラクが内戦ではない、というのは政治的な詭弁です。われわれは もう長い間、イラクの内戦に巻き込まれています。 抵抗勢力は路上爆弾を たくさん仕掛けて、米兵が基地から出られないようにし、新イラク政府の経 済基盤や信用を破壊する作戦をとっています。  そしてその間にも、ゲリラ勢力はますます強くなっています。時間がたて ばたつほど、ゲリラにとっては都合がよくなるんです。昔からよく言われる ように、『戦争を教える最良の学校は、戦場』なんですから」

また、イラク駐屯の連合軍でも働いていたニューヨーク大学のノア・フェ ルドマン教授は、こう語る。 「イラクは内戦勃発のきわどい瀬戸際まできていると私は思います。武装勢 力は日に日に力を増してきています。戦闘が少ない日は、彼らが次の猛攻に 備えて、態勢を整えているだけなのです。  ひょっとしたら、武装勢力による今の攻勢は、彼らの最期のあがきである 可能性がないわけではありません。でも現実的には、われわれが抵抗勢力に 勝ちつつあるという確固とした証拠は、どこにも見あたりません。  それと同時に、武装ゲリラ側が、われわれを打ち負かすことができないと いう証拠もないんです」

ニュース・デイ  5月12日 http://www.newsday.com/news/nationworld/world/ny-woiraq0512,0,4630319.story

★懲役22年の逃亡者、チャラビが恩赦になったワケ

リベラルなラジオ番組、デモクラシー・ナウで、エイミー・グッドマンが ジャーナリストのセイモア・ハーシュに行ったインタビューから・・・。

(エイミー)ヨルダンのペトラ銀行に預けてあった預金300億円が紛失し た時、当時、頭取だったアフメド・チャラビは詐欺罪で告訴され、懲役22 年の有罪判決を受けましたね。  でも、チャラビは国外逃亡し、後にCIAに雇われました。彼は、ブッシ ュ政権と米マスコミに、イラクを侵略するようにそそのかした張本人でもあ ります。  イラク新政府では副首相に任命されたのですが、最新のニュースによると、 新政府のタラバニ大統領がヨルダンのアブドゥラ国王に、チャラビの恩赦を 頼んだので、チャラビが無罪放免になるということですが・・・?

(ハーシュ)その質問は、されて嬉しいと同時に、ちょっと困ってしまいま すね。というのは、私はその裏話を、いろいろと知っているんです。  ヨルダンのアブドゥラ国王は、ひんぱんにアメリカを訪れています。ブッ シュ大統領は国王がきれいな英語を話すのでお気に入りで、彼が訪米するた びに、よく会っていました。 もともと国王は、米国の私立高校に通ってい たので、英語はぺらぺらだし、とても西洋好みなんです。

これは9ヶ月前のことですが、国王はブッシュ大統領と会って、ショック を受けました。というのは、ブッシュ大統領が「ちょっと頼みごとがあるの だけれど・・・」と言ったので、国王は、「もちろん、なんなりと」と答え ると、大統領は、「実は、チャラビに恩赦を与えてほしいんだが」と要求し たんです。

国王がびっくりしたのもムリはありません。チャラビのような犯罪者に、 どうして恩赦なんて与えることができるでしょう。チャラビがヨルダンの国 民から盗んだ300億円は、老いた婦人や子供たちが一生懸命になって辛抱 して預けた貯金なんです。  わたしは当時のチャラビの裁判記録を諜報部員から手に入れてもらって、 英訳させて全文読みました。裁判ではチャラビの犯行証拠が数多く提出され、 グーの音も出ないほどで、圧倒的な明確さで有罪が決まったのです。  ところが、チャラビは服役しないまま、国外へ密出国したのです。たぶん 当時の皇族たちにワイロを渡して、共謀者の助けを借りたのでしょう。

まあとにかく、アブドゥラ国王はブッシュ大統領の要求にあ然としてしま い、何と答えていいか分からなくなりました。国王はヨルダンに帰ったあと 国会議員たちに「チャラビの恩赦」の相談をしたところ、議員たちは口をそ ろえて、「冗談じゃあない、そんなことができるわけがない」と反対しまし た。  だから、私に言えることは、ヨルダン国王は米国大統領の頼みに従わざる をえなかったということです。もちろん、ネオコンの筋書き通りに、芝居が 進んでいるのでしょう。  もしあなたがこれ以上調査しようとしても、ホワイトハウスは「そんなの はウソだ」と頭から否定するでしょうがね。

ラジオ番組 デモクラシー・ナウ 5月11日放送 http://www.democracynow.org/article.pl?sid=05/05/11/142250

★ある警察官の叫び

目撃者のアバス・モハメッド軍曹は、自爆テロの様子をこう語る。 「われわれは警察本部の近くにいたんだが、突然、フォード車が猛スピード で閉まっている門に近づいてきた。警備員が車に向かって発砲すると、車は 一旦ストップし、その直後に爆発したんだ」

この爆発で警官三人が重症を負った。事後処理に米兵の一団が爆発現場に やってくると、負傷した警察官の同僚が、アラビア語でこう叫んだ。

「お前たちがここにいるから、自爆テロが起こるんだ! ぜんぶお前たちの せいだ! おれたちの国から出て行け! そしたら爆発もなくなるんだ」

ABCニュース・オンライン  5月10日 http://www.abc.net.au/news/newsitems/200505/s1364588.htm

★いつかそのうち・・・

私には夢があります。夢の中でテレビをつけると、CNNのアナウンサー がニュースのまっ先にこう言うんです。 「今日のイラク情報をお伝えします。ブッシュ大統領が2003年1月に行 った一般教書演説で力説した、26000リットルの炭疽菌、38000リ ットルのボツリウム菌、500トンのサリン、マスタード、VXガス、それ らを搭載できる30000基のミサイル、移動生物兵器車両・・・などは、 今日もまた見つかりませんでした。 次は天気予報です・・・」

いつかそのうち、友よ、いつかそのうちメディアが公平になることを・・・

ウィリアム・リバース・ピット  トゥルース・アウト 5月11日 http://www.truthout.org/docs_2005/051105A.shtml

★テレビの小話のパンチラインをひとつ

ホワイトハウス記者団主催の夕食会で、ローラ・ブッシュ大統領夫人は、 「夫は早寝で、夜の9時にはもう寝息が聞こえるの、本当の話よ」とジョー クを飛ばした。  それを聞いたヒラリー・クリントンは、「いいわねえ、うらやましいわ」 と答えたそうだ。 ジェイ・レノ

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帝国現地レポート(27)に誤訳が二つありましたので、 ここに訂正してお詫びいたします。

ベネディクト14世(誤)・・・ベネディクト16世 米客船ルイジアナ号(誤)・・・英国船籍の旅客船ルシタニア号

★ また、以下のジョークに、少し説明を付け加えます。

「年金制度ができる前は、米国民は定年の年齢が過ぎても、ずうと長く働 かなくてはいけなかったらしいね・・・いまシェールが働いているようにね」

(注)シェールというのは、その昔、「ソニーとシェール」というデュオで 活躍していた女性スター・シンガーの名前です。  彼女はもうここ数年、ずうっと「引退お別れコンサート」をしながら全米 を廻っているのですが、もう何年たってもその「お別れコンサート」が終わ らないので、こういうジョークのネタにされたというわけです。

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