TUP BULLETIN

速報642号 ドナより パイン・ギャップの秘密主義に加担した裁定 061017

投稿日 2006年10月17日

DATE: 2006年10月17日(火) 午後11時09分

オーストラリア人の知る権利に対するこの重大な侵害


 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の 盾」に参加し、04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レ ジスタンスによる拘束を経験、04年冬から05年春にかけてイラク・パレスチナ を旅して、05年8月アメリカからシンディ・シーハンのキャンプケーシーにつ いて報告してくれました。オーストラリアに帰国したドナは自国のテロを見据 え、05年12月に米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献して きたアリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地に向かい民間査察 を強行して逮捕・起訴され、最高7年の刑期を課せられるかもしれません。

10月4日に始まったその裁判で論議となった、防衛(特別事業)法の適用問 題に対する判事の結論が12日に出されました。 (翻訳:福永克紀/TUP)


パイン・ギャップの秘密主義、闇から闇へ ドナ・マルハーン 2006年10月12日

お友達の皆さんへ

木曜日に裁判所の決定を聞いた時、私は判事たちと政治家たちは結託している ように感じました。パイン・ギャップをまったく不気味で秘密のままにしてお き、公衆のどんな詮索も避けたい政府の意向に沿った決定でした。

下部の報告は、何が起こったのかの簡単な要約です。

決定は、振り出しに戻すようなものですが、私たちは11月8日に更なる審理前 弁論に出廷(電話で)して、脅されることなく批判する市民の権利を奪う防衛 (特別事業)法1952年の適用に対する私たちの論点を継続することになりま す。

驚くべき数週間を過ごして、私たち全員が帰路につきましたが、この旅の次の 段階を楽しみにしています! 私たちと共に旅をしていただき感謝します、ま た週末逮捕された5人の来週火曜日の法廷のことや、他のニュースも続けて報 告します!

皆さんの巡礼者 ドナより

追伸:私たちのメディア・リリースは下に、ABCニュースはその下にありま す。

[訳者注:以下、メディア・リリース文およびABCニュース文]

パイン・ギャップの秘密主義、闇から闇へ 2006年10月13日

政府は基地の活動内容を明らかにすべき責務を果たさなくても良いとした北部 準州最高裁の木曜日の決定で、過去40年に渡りパイン・ギャップ・スパイ基地 を覆ってきた秘密のベールがさらに強化された。

パイン・ギャップ侵入で起訴された平和活動家4人の弁護士は、防衛(特別事 業)法1952年が適用可能となるには、事前に政府がオーストラリアの防衛には この基地が必要だと、それゆえ禁止区域が必要だと証明しなければならない と、先週の法廷で陳述した。

しかし、トーマス判事は決定の言い渡しで、基地はオーストラリアの防衛に必 要だと単に大臣が言えば充分であって、なぜ必要なのか実際に証明する必要は ないと述べた。

4人の被告、ジム・ダウリング、ブライアン・ロー、アデル・ゴールディー、 ドナ・マルハーンは、不法侵入で最長7年の実刑を科すことができる防衛(特 別事業)1952年を法史上初めて適用され起訴された。この法に基づく起訴を決 定したのは時の法務長官である。

グループは、昨年パイン・ギャップ軍事基地を「市民査察」し、極秘施設の警 備をすり抜け基地に侵入を果たし、建屋に登り、バナーを広げ、写真撮影をし た。

この判決は、オーストラリアで三権分立がなくなっていることを示す兆候で、 とても心配だと被告のひとりドナ・マルハーンは言う。

「パイン・ギャップとその活動を市民の監視の下に置くことは、社会の権利で す」と、彼女は言う。

「この冷戦時代の法律は、市民にパイン・ギャップやその他の米国防衛施設の 批判や調査をさせないことを明確な目的として作成されています」

「自らの説明責任から逃れるためにこの法律を適用することにしたのは、今の 政府の決定でした」

「すべてのオーストラリア人は、オーストラリア「防衛」の名のもとでどんな ことが行なわれているかを知る権利が自分たちから奪われているのですから、 このことに関心を持ってほしいと思います」

11月8日に開かれる継続中の審理前弁論で、弁護側がこの法の適用問題をさら に追究するのかどうかの表明があり、判事の宣告が述べられる予定である。本 裁判期日はまだ決定されていない。

ABCニュース パイン・ギャップ侵入事件、判事は政府を支持

アリス・スプリングスの判事は、連邦政府が禁止区域を布告するにあたり、当 該地域がオーストラリア防衛に必要だと政府が証明しなくてもよいと裁定し た。

アリス・スプリングス郊外のパイン・ギャップ侵入で起訴されている被告4人 の弁護士は、被告たちは禁止区域侵入の容疑を解かれるべきであると弁論して いた。

彼女は、パイン・ギャップがオーストラリア防衛に必要な禁止区域に当たると 検察側が証明することが、この法律では求められていると主張していた。

サリー・トーマス判事の下した裁定は、検察側に立ったものだった。

大臣はもしそれが必要だと考えれば、当該地域をを禁止区域に指定できると彼 女は述べた。 http://www.abc.net.au/news/newsitems/200610/s1763691.htm

原文:Pine Gap secrecy locked in place URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/193