TUP BULLETIN

速報773号 ドナより イエスが誰を爆撃するというのか?

投稿日 2008年7月13日

DATE: 2008年7月13日(日) 午後11時56分

非暴力こそが、暴力の連鎖を断ち切り世界に大きな望みを与えることができる


 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年の春にはイラクでの「人間の盾」に参加した。04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レジスタンスによる拘束を経験し、つぶさにそれらを報告してくれた。04年冬から05年春にかけてはイラク・パレスチナ「巡礼の旅」を伝えてきた。05年8月には、シンディ・シーハンのキャンプ・ケーシーに駆けつけ、アメリカからのその報告は、ほとんど実況中継だった。  オーストラリアに帰国したドナは、自国のテロを見据え始めることになる。米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献してきたのは、アリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地だ。05年12月、ドナたち4人はこの基地に向かい、「市民査察」を強行して逮捕され、豪史上初めて防衛(特別事業)法1952年を適用され起訴された。刑罰は最高7年の実刑だ。裁判の結果、第1審で有罪・罰金刑とされ罰金支払い拒否のため刑期を務めた後、第2審で無罪を勝ち取った。  ドナの長い旅は、新しい道にまた一歩を踏み出した。 (翻訳:福永克紀/TUP)


「世界青年の日」の群集に問う――イエスが誰を爆撃するというのか?
ドナ・マルハーン
2008年7月1日

お友達の皆さんへ

シドニーにお住まいでなく、点滅するオレンジ色のサインで毎日思い起こす機会のないかたのために。「世界青年の日」まであと14日です。

ほぼ20万人の熱狂的なカトリック巡礼者が世界中からシドニーにくだってきて、それに伴う交通渋滞やゴテゴテした教皇グッズの氾濫を思い浮かべてしかめっ面をしている人たちがいます。新しい友人たちを歓待しようとわくわくしたり、多 くのフォーラムや講演やコンサートなどいろんな催しに参加できると期待してい る人たちもいます。

私たちは、そこにひとつの言葉を差し挟もうとしています。

それは、巡礼者たちに、世界で起こっているいろんな出来事に自らの信仰がどのような役割を果たせるのか、特に福音書が戦争と非暴力についてなんと言っているのか、というもうひとつのメッセージを提供することであり、この質問をすることです――イエスが誰を爆撃するというのか?

大歓迎なのですが、驚いたことに「平和を実現する人々であること」についてのフォーラムが「世界青年の日フェスティバル」のプログラムに受け入れられました。ジェシカ・モリソン(核問題運動家および「パイン・ギャップの6人」のひとり)が、私と彼女、それに神学者であるブルース・ダンカン神父とパックス・クリスティの一員であるマギー・ガリーの4人による、2時間の講演イベントをお膳立てしました。

世界中から集まる巡礼者の聴衆に、非暴力という過激で根源的な教えを伝えることができる機会を得て、私たちはとても興奮しています。このフォーラムは、7月17日(木曜日)の午後8時から10時までパディントン・タウンホールで行われます。世界に変革をもたらすために若者たちがどのような役割を果たせるかを考える好機となる、小さなグループに分かれた若者どうしの討論と感想の時間も含まれています。

助けが必要です。このイベントを成功させるために皆さんにできることがありま す。

1. 会場は550人は入れます。小さなグループごとに分かれておこなう議論の進行役を務められる方々がほしいのです。きていただいて、小グループの進行役をできませんか? 役目は討論が筋を外さないように進行させるだけです。

2. 私たちは、巡礼者たちに「情報と行動」パックを手渡し、持ち帰ってもらうつもりです。その袋を、どのようにして正義のために働き行動を起こすことができるかの提案内容でいっぱいにしたいのです。あなたは、この袋にチラシを入れたいと思う組織に関わってはいませんか? もっとボランティアが必要で募集したくはないですか? キャンペーンを行なっている題材があって、この聴衆に働きかけたいとは思いませんか? もしそうなら、どうか早急に私に知らせてください。

3. この袋詰めを手伝えませんか? イベント前の数日間は、袋詰め働き蜂が必要となるでしょう。

4. 皆さん自身のネットワークでこのイベントを宣伝することはできませんか? 誰でも参加できる公開イベントですので、どうかこの添付のチラシを広範囲に送るなり、皆さんがアクセスできるメディア/ウェブサイト/ブログ/掲示板などにメディア・リリースを送るなりしてください。 [訳者注:TUPではファイル添付はできませんが、下記で見ることができます。 http://www.icanw.org/files/Peacemakers_Double_sided.pdf ]

5. どうぞ、ご参加ください、あなたの友人たちや若者グループなどと一緒に。誰でも歓迎です。参加費用は要りません。

どんな形であれ手助けしてくださるかた、お知らせください。

現地でお会いしましょう!

皆さんの巡礼者 ドナより

追伸:メディア・リリースは下に貼り付け、チラシは添付しています。

追追伸:「世界青年の日」の軍事的な展示には、平和を表す意思表示もなされるでしょう。詳しい情報は手に入り次第に。

追追追伸:私が関わるもうひとつの「世界青年の日」イベントにもお立ち寄り下さい。都会の静かなオアシスであるここは、クリスチャンの黙想を学ぶところです。www.christianmeditationaustralia.org/wyd.html を参照。この件に関する情報はのちほどに。

追追追追伸:「神があなたを召し出される場は、深い喜びの中にいるあなたと、飢える(かつえる)世界とが出会うところです」――ビークナー

[訳者注:以下、メディア・リリース文]

【イエスが誰を爆撃するというのか? 時期にかなった問題を、「世界青年の日」フォーラムで問う】

戦争によって荒廃した今日の世界にあって若者たちがどのようにして平和を実現する人々となりえるかを問う「世界青年の日」フォーラムでは、いろんな議題の中でもイラク戦争、核兵器、ならびに市民的不服従を通じて政府に抗することの道義性が話し合われることになる。

イラク人間の盾の経験者ドナ・マルハーン、神学者ブルース・ダンカン神父、反核運動家ジェシカ・モリソン、パックス・クリスティ会員マギー・ガリーの4人が講演し、さまざまな話題や感想、戦火に引き裂かれたイラクをじかに経験したそのイメージを紹介し、世界中から集まる巡礼者がこれらの複雑な問題を互いに議論する機会を提供する。

平和活動家であり元イラク人間の盾でもあるドナ・マルハーンは、「イエスが誰を爆撃するというのか?」がこのフォーラムで聴衆に投げかけられる核心を突く質問となる、と語る。

「世界が紛争の深みに落ち込んでいくいま、非暴力こそが暴力の連鎖を断ち切り世界に大きな望みを与えることができるという、非暴力に対する本来のキリスト教の教えを取り戻すことができるのです」と、彼女は言う。

「『汝の敵を愛せ』というイエスの教えは、戦争や暴力に抵抗し、他者とより良き関係を築くことで平和を達成せよ、という意味です」

「地域や世界を問わず、平和と正義のために働くことは、カトリック社会の教えの真髄でありクリスチャンとしての責任だと強調したいのです」

「誰にでも、平和達成のために果たせる役割部分があります。巡礼者たちが自分たち独自の道を見つけるのを手助けしたいのです」

非暴力を説くラディカル・クリスチャンの教えは、世界中で庶民の生活が破壊されているときにカトリック教徒は沈黙していることはできないということだと、ドナは言う。

「私たちの役割は、真実を語って権力と向かい、戦争反対や正義実現の活動を行い、もうひとつの道を推し進めることです」と、彼女は言う。

「もしそれが、軍国主義に抵抗する方法として、自分たちの政府に抗い市民不服従の非暴力行動に参加することになるなら、それが私たちの責任なのです」

講演者のふたりはまさにそのことを行ったため、法の裏側を見ることになった。反核活動家ジェシカ・モリソンはショールウォーター湾米軍軍事訓練に反対する行動で起訴され、ドナ・マルハーンは秘密の米スパイ基地パイン・ギャップに侵入して「市民査察」を実行したため刑期を務めることとなった。

フォーラムでは「正義の戦争」神学も綿密な論議にあげられ、講演者たちがイラ ク戦争は「正義」ではありえないと主張することになる。

「イラク戦争は、『正義の戦争』基準にとどくこともなく、前教皇は一貫して侵略に反対する世界指導者のひとりでした」

「平和を実現する人々であること」フォーラムは、「世界青年の日」の「青年フェスティバル」プログラムの一環として行なわれ、7月17日(木曜日)午後8時から10時、パディントン・タウンホールで開催される。一般公衆も自由参加である。

すべての講演者は、インタビューに応じる。

ドナ・マルハーン 元イラク人間の盾/平和運動家 電話xxxx-xxxxxx [訳者注:電話番号省略。以下すべて同様]

ブルース・ダンカン神父 ヤラ神学大学連合メルボルン校 社会正義研究部コーディネータ 電話xxxx-xxxxxx

ジェシカ・モリソン 核兵器廃絶国際キャンペーン・豪州ディレクター 電話xxxx-xxxxxx

マギー・ガリー 豪州パックス・クリスティ 電話xxxx-xxxxxx

フォーラム:平和を実現する人々であること
日時:7月17日(木)午後8時~10時
場所:パディントン・タウンホール オックスフォード通りとオートリー通の交差点
題目:「世界青年の日」青年フェスティバル・フォーラム――キリスト教の教えとしての非暴力と、今日におけるその適用について

原文:We ask World Youth Day crowd: Who Would Jesus Bomb? URL: http://groups.yahoo.com/group/ThePilgrim/message/233