TUP BULLETIN

速報799号 空襲下ガザからの報告5――アブデルワーヘド教授

投稿日 2009年1月1日

◎爆撃また爆撃。自家発電で命がけで世界に発信される現地の声
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ガザのアブデルワーヘド教授からのメールの邦訳です。
<邦訳: 岡真理; 凡例: (原注) [訳注]>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【メール その14】
日時: 2008/12/30 (火) 18:27
件名: 12月30日夜のガザの爆撃

2008年12月30日、ガザは 5分間で20基のミサイルによる爆撃。同夜、ほかにも20ヶ所が攻撃される! 添付の写真は最初の攻撃のもの! [同写真はゼネラルユニオンの遠藤礼子さんのご協力で以下に置きました
http://picasaweb.google.com/tigrimpa/wLVhCF?feat=directlink ]
パルテル[パレスチナの電話会社]の録音メッセージが、パレスチナの外から電話や携帯にかかってくるガザ市民に対する脅迫電話に注意するよう顧客に警告している! 分からないが外部の誰かが私に電話をかけてきていた。だが携帯は電気がないため使用不能で、発電機を作動させるのは、外界に発信するためだ。さまざまなイスラエル無人機が私たちの頭上から立ち去る気配は全くない。たった今、付近のどこかが攻撃された。爆撃が膨大な回数に及ぶため、どこに着弾したか、もはや見分けることができない。ガザ市内だけでこの状態だ。ほかの地域は言うまでもない。地元メディアのニュースによれば、イスラエルの地対地ミサイルがアル=ブレイジュ難民キャンプに、また砲弾が何発かハーン・ユーニス東部に撃ち込まれたという。ガザ・ワーディ東部では(ガザ・ワーディは小さな村)、民家が 1軒、爆撃された。爆発で 2人が亡くなり、ほかは負傷! 公式発表では死者数は 390に達し、負傷者約1800人、うち子どももふくめて民間人の数は膨大だ! アル=カッサーム旅団が今、記者会見であらためて闘いの誓いを立てている。イスラエル航空機および無人機が空で広範囲にわたり活動しているにもかかわらず、同旅団は 150発のロケット弾を発射したと発表した。ハッピー・ニュー・イヤー!

【メール その15】
日時: 2008/12/30 (火) 20:59
件名: 爆撃、再び!!!!!!!!!!!!

今晩の猛爆撃がたった今始まり、民家や政府関連の場所が狙われている。テル・エル=ハワが標的になるのは 2度目! ベイト・ラヒア、ジャバリーヤ村、ハーン・ユーニス、ラファにも襲撃。イスラエルはラファ国境地帯のトンネル 200本を破壊と発表した。ある男性は初日の攻撃のなかで行方不明となり、家族は3日間、喪に服した。今日、その男性が命をとりとめ、シファー病院の集中治療室にいることが判明した。スドゥキ・ハンマードだ!これ以上、新たな波状攻撃について伝えることができない。民家一軒が今まさに燃えている! ぞっとする!

【メール その16】
日時: 2008/12/30 (火) 23:56
件名: 爆撃、再び!!!!!!!!!!!!!!

ミリヤム・クック先生(デューク大学)、ご厚意と心からのお気遣い、感謝します。幸いなことに、ほんの 10分前に、この 5日間で初めて電気が復旧した。ガザは今、午前零時。無人機の唸る音が耳障りとはいえ、ミサイルがそこらじゅう、目と鼻の先からはるか彼方まで雨あられと降り注ぐことに比べれば何でもない。20分前、付近で軍用ヘリによる攻撃があったが、どこだか場所を特定できない。燃えた家は、近所にある政府関係の建物の近くだ。私の住むテル・エル=ハワーは政府関係の建物が数多い地域だ。それらの建物の多くがすでに一度ならず攻撃を受けている!今やガザの 80%が停電している! 実を言えば、ガザのいたるところでパニックが起きている。数多くの民家が、意図的かどうかは別にして、攻撃を受けたからだ。ガザに対する今回の軍事攻勢で 42人の子どもが殺された。これらの子どもがハマースの活動家でロケット弾を発射しているというのだろうか!ハマースのアル=カッサーム旅団の 1万2千人の強者はまだ何の戦闘もしておらず、依然、強固なままのはずだ。一方、主たる犠牲者は警官隊、民間の労働者、そして子どもや学生をふくめた無辜の人々だ。イスラエルが攻撃しているのはホテル、スポーツセンター、無人の家、そして政府関係の建物、たとえばパスポート発給事務所、税関や税務に使われている建物などである。イスラエルは庁舎や、ガザではまだながら他の町や村々の役所を攻撃している。また 10のモスクを狙い撃ちし、うち 6つは完全に破壊された。だが、いずれの場合も、モスク周辺は著しい被害を被った。ジャバリーヤ難民キャンプではある家族の姉妹 5人が、モスクの壁が崩れ落ちた時に瓦礫の下敷きになって殺された。

世界じゅうの人々が、ムスリムの国々でさえも、楽しい時を過ごしているはずのクリスマスの時期に何が起きているのか、誰かが伝えねばならないことが多くある。これはそのごく一部である。

みなさんが楽しいクリスマスと良いお年を迎えられますように。

【メール その17】
日時: 2008/12/31 (火) 08:29
件名: 雨のガザで軍事行動!

ガザ地区では何時間も雨が降り続いている。この新たな状況を受けて、イスラエルの無人機、無人飛行機およびヘリコプターが空から姿を消した。だが、イスラエルの戦車および大砲から何回にもわたって砲撃がある! とはいえ、私たちは睡眠を中断されずに何時間か眠ることができた! 子どもたちは緊張と恐怖と不安からわずかながら解放された。ガザは見捨てられた街のようだ!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
原文: Prof. Abdelwahed (ガザ・アル=アズハル大学教養・人文学部英語学科) 発信の一連の電子メール